中国政府は、高性能テクノロジー製品の生産拡大に向けた新たな国家戦略を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。トランプ米政権が製造業の国内回帰を目指す中、中国も製造業をしっかりと掌握し続ける方針であることを示唆している。

  協議が公になっていないとして匿名を条件に話した関係者によると、政府当局者らは習近平国家主席の看板政策「中国製造2025」の新たなバージョンとなる計画の策定を進めている。

  今後10年間の計画では、半導体製造装置などのテクノロジーが優先分野となる方向で、欧米諸国からの批判を避けるため、中国製造2025と似た名称の使用は控える可能性もあると、関係者のうち1人が述べた。

  関係者の1人によれば、これとは別に来年から始まる第15次5カ年計画を準備している当局者も、国内総生産(GDP)に占める製造業の割合を中長期的に安定させることを目指す。米国が求める中国経済のリバランスが困難であることを示している。

  この関係者によると、次期5カ年計画に消費の対GDP比を巡る数値目標を盛り込むかどうかが議論されているが、家計支出を促す有効な手段の不足を巡る懸念や、具体的な数値へのコミットメントを避けたい意向もあり、現在のところは数値目標の設定に否定的な見方が強まっているという。

  こうした計画内容に関する協議はなお続いており、最終的な公表までに大幅な修正が加えられることもあり得る。次期5カ年計画は26年3月に開かれる全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で発表される見込みで、中国製造2025の後継計画は全人代前後、いつでも発表される可能性があると、関係者の1人は述べた。

  経済政策全般の立案を担う国家発展改革委員会(発改委)は、一連の計画に関するブルームバーグの問い合わせに返答を控えた。

  中国で進行中の議論は、米欧から貿易不均衡を助長すると非難されてきた戦略全般をおおむね堅持する方針であることを示唆している。この点は米国との通商協議でも争点になっている。

  トランプ政権は中国に対し、消費主導型経済への転換を促すとともに、輸出規制や関税を用いて「戦略的デカップリング(切り離し)」に着手しており、鉄鋼や医薬品、半導体といった分野での米国の自立を目指している。

  共産党指導部はデフレを回避し、トランプ政権の関税措置で見込まれる輸出の減少を補うことを目指しており、消費の拡大を促す必要性を訴えている。3月の全人代では李強首相が「消費の積極的な喚起」を今年の優先課題と位置付け、内需を経済成長の主な原動力とするため、さらなる努力を当局者に呼びかけていた。

  だが、当局はそれ以降、消費の押し上げで新たな具体策をほとんど講じておらず、既存の支出計画で今年のGDP成長率目標の5%前後を実現できるか様子を見ている状況だ。

  製造業が国家安全や雇用創出の中核と見なされていることに変わりはなく、人工知能(AI)スタートアップのDeepSeek(ディープシーク)によるAI技術の飛躍的進展も、当局の戦略が奏功しているという自信を強める材料となっている。

  中国では消費のGDP比が約40%と、先進国の50-70%に比べて低く、持続的な不均衡や貿易摩擦につながっている。一方、製造業を含めた投資もほぼ40%に達しており、米国の約2倍に達し、世界的にも高い水準となっている。

原題:Xi Mulls New Made-in-China Plan Despite US Call to Rebalance (1)(抜粋)

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