26日の日本市場では円相場が対ドルで2週間半ぶり高値付近から小反落。トランプ米大統領が欧州連合(EU)に対する関税発動の延期を発表し、貿易摩擦の激化を懸念したリスク回避の円買いが一服した。株式は上昇。

  トランプ氏は25日、欧州委員会のフォンデアライエン委員長との電話会談を受け、EUに対する50%の関税発動期限を7月9日まで延長すると表明した。7月9日は上乗せ関税の90日間猶予の終了日となる。

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  円は一時、先週末のニューヨーク終値比0.4%安の1ドル=143円08銭まで下落。その後は142円台後半でもみ合う展開となっている。23日の海外市場では、トランプ氏による対EUや海外製スマートフォンへの関税賦課の警告を受けてリスク回避の動きが再燃し、米国株が下落。ドルも売られ、円は一時1.1%高の142円42銭と7日以来の高値を付けていた。  

  ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジストは、対EU関税延期を受けた円安は長続きしないが、今後米国と各国の間で関税引き下げなどの合意ができていく中で円が売り戻されていく可能性は高いと話す。一方で「ドルの弱さは続いている」とも言い、ドル・円の上値は重いとみている。

国内為替・株式・債券相場の動き-午前9時41分時点円は対ドルでニューヨーク終値比0.1%安の142円72銭東証株価指数(TOPIX)は前営業日比0.4%高の2746.59日経平均株価は0.5%高の3万7358円12銭長期国債先物3月物は21銭高の138円95銭新発10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)低下の1.53%為替

  東京外国為替市場の円相場は1ドル=142円台半ばから一時143円台まで下落。その後は下げ渋る展開となっている。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは26日付のリポートで、対EU関税の発動期限延期を受けてドル買い・円売りとなったが、関税を巡り米EUの対立がエスカレートするリスクは残ると指摘。その場合は「米スタグフレーション懸念の再燃から米国売りの一環としてドル安圧力が強まる」とみる。

  トランプ氏は23日、アップルを含む全ての携帯電話メーカーに対し、米国内で製造されていない製品に25%の関税を賦課すると警告した。また、23日に3度目の日米通商交渉が行われたものの合意には至らず、市場では依然として米国がドル高・円安是正を求めることへの警戒感がくすぶる。米国の財政悪化や景気後退を懸念したドル売り圧力も根強い。

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、ドルを買いづらい時間帯が続きそうで、円がドル売りの対象として選好されやすくなる可能性もあると、26日付リポートで予想した。

株式

  東京株式相場は堅調。トランプ米大統領による対EUの関税発動期限の延長を受けて、関税交渉進展や政策緩和への期待感が高まっている。

  陸運や建設、不動産、小売りなど内需関連株が上昇。トランプ米大統領がUSスチールとの提携を発表した日本製鉄は一時7%超の値上がり。半面、パルプ・紙などは軟調。

  東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、トランプ米大統領の関税に関する厳しい発言は交渉の進展を催促する意味合いがあり、「株式市場は次第に慣れてきている」と指摘。「欧州側から交渉前向き発言を引き出すことができたこともあり、最終的に関税を賦課する可能性は低いだろう」と述べた。

債券

  債券相場は超長期債を中心に上昇。前週末に米長期金利が低下したことを受けた買いに加え、超長期債が前週末に大きく買われた流れが続いている。

  アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、需給悪化により売られてきた超長期債が前週末に買われ、債券市場全体に落ち着きが出ていると語る。ただ、需要に比べ発行額が多すぎるという構造的な要因は変わっておらず、28日に行われる40年債入札を消化するまで「投資家の疑心暗鬼は残るだろう」と言う。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは40年債入札について、利回りの上昇や発行額の減額、ダッチ方式での入札という好条件があるが、「強めの札を入れる投資家は少なそうで、やや厳しい」と語る。40年債入札が順調に消化されれば債券相場全体に金利低下余地が生じるが、不調に終われば長期金利は高値を更新するだろうとみる。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

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