4月15日、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、ポール・コンウェイ氏は講演で、トランプ米大統領による輸入品への関税の引き上げと世界の貿易政策を巡る動きの不確実性により、ニュージーランドの国内総生産(GDP)と世界の経済活動が予想を下回る可能性があるとの見方を示した。写真はニュージーランド中銀の正面玄関。2017年7月、首都ウェリントンで撮影(2025年 ロイター/David Gray)
[5日 ロイター] – ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は5日、オア総裁が辞任し、今月31日で職を終えると発表した。任期終了より3年早いタイミングで、サプライズとなった。
オア氏は声明で「消費者物価上昇率が目標に戻り、経済がコロナ禍に関連する長期の混乱を経て循環的な回復に向かう中で、私は職を退く。金融システムは引き続き健全だ」と述べた。
同氏は2023年3月27日からさらに5年の任期で再任されていた。
国民党主導の現政権は野党時代、コロナ禍後にインフレを高騰させ、その後は高金利で不況を招いたとして、オア氏を批判していた。
ウィリス財務相は記者団に対し、数日前からオア氏とNZ中銀理事会の間で辞任に向けた話し合いが行われていることは知っていたと語ったが、辞任の理由は明らかにしなかった。
中銀の発表によると、ホークスビー副総裁が今月31日まで総裁代行を務める。4月1日以降は、ウィリス財務相が中銀理事会の推薦に基づき、最長6カ月の任期で臨時総裁を任命する。ホークスビー氏は金融政策委員会の議長も務める。
インフォメトリクスの主席エコノミスト、ブラッド・オルセン氏は「突然の辞任にあぜんとしている」と話す。「オア氏が3月31日まで総裁職にあるにもかかわらず、総裁代行が任命されているという事実は、混乱と疑問を増大させている」と指摘した。
オア総裁辞任のニュースを受けて為替に大きな影響は見られず、NZドルは0.5652米ドルと小幅な下落にとどまっている。
オア氏はコロナ禍による経済的ダメージに対処するため、大規模な景気刺激策を実施、その後急激なインフレに見舞われた。NZ中銀は、0.25%という記録的な低金利から積極的に金利を引き上げ、政策金利は最終的に5.50%に達し、NZ経済は昨年、リセッション(景気後退)に陥った。
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