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2025年5月15日 16:43

【速報】“負の遺産”大阪府咲洲庁舎内で閉館「さきしまコスモタワーホテル」新たなホテル事業者募集へ 吉村知事「需要はあると感じている」

 大阪府の吉村洋文知事は、15日午後3時からの定例会見で、賃料など約43億円を滞納し、去年10月に閉館した大阪府咲州庁舎の「さきしまコスモタワーホテル」が入っていたフロア(7階~17階)に、新たなホテル事業者の募集を開始すると発表しました。募集期間は今月16日~7月7日です。

■6年前に開業も…滞納額は約43億円 裁判で未払い分の支払い・明け渡しが確定

 2019年1月に開業した「さきしまコスモタワーホテル」は、開業から1年と経たずに賃料などの滞納が始まり、滞納額は約43億円にのぼりました。去年6月、未払いの賃料などの支払いとフロアの明け渡しを命じる大阪高裁の判決が確定。ホテルは10月末をもって閉館しました。滞納額のうち現時点で約16億7000万円は回収済みだということで、大阪府は引き続き、回収に努めるとしています。

 大阪府は15日、「さきしまコスモタワーホテル」が入っていた咲州庁舎の7階~17階にテナントとして新たなホテル事業者を募集すると発表しました。

 募集期間は5月16日~7月7日で、貸付期間は10年以上15年以内としています。事業者の選定については応募価格だけでなく、資金計画やホテル運営の実績、経営の安定性などを総合的に審査するということです。

■55階建て「旧WTCビル」約1200億円かけ建設も…バブルで経営破綻

 大阪府の吉村洋文知事は15日、「大阪府の資産なので、できるだけ有効に活用したい。ホテルで運用したいという事業者もいるので、需要はあると感じている。前事業者とは訴訟になっているのでそこは反省をして、専門家の意見も聞いて適切な対策を取っている」と話しました。

 大阪のベイエリアにひと際高くそびえたつ地上55階建ての咲洲庁舎は、元々の名前はワールドトレードセンタービル(WTC)で1995年に大阪市の第三セクターが約1200億円をかけて建設しましたが、バブル崩壊などのあおりを受け経営破綻。

 その後、当時の橋下徹知事の肝いり事業として、府庁の全面移転を目指し、2010年に大阪府が約85億円で購入しましたが、2011年の東日本大震災で長周期地震動による大きな被害が出て、耐震性の問題が浮上。その結果、全面移転は頓挫し、府庁の一部の部署だけが入居しましたが、テナントの空室が目立ったこともあり、長年にわたって「負の遺産」と呼ばれてきました。

最終更新日:2025年5月15日 16:43

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