インドのモディ首相が2月12日からの訪米で米実業家イーロン・マスク氏と会談し、マスク氏が率いる米宇宙企業スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」のインド参入について話し合う可能性があることが分かった。2023年6月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[ニューデリー 12日 ロイター] – インドのモディ首相が12日からの訪米で米実業家イーロン・マスク氏と会談し、マスク氏が率いる米宇宙企業スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」のインド参入について話し合う可能性があることが分かった。計画に詳しい2人の情報筋が12日、ロイターに明らかにした。
モディ氏は2日間の訪米中にトランプ大統領と会談し、両国間の貿易と輸入品への関税が中心議題になるとみられている。
2人の情報筋によると、マスク氏はモディ氏と1対1で会談する可能性が高く、長く延期されてきたインドでのスターリンクの立ち上げ計画が議題に含まれる可能性があるとインド政府は予想している。
スペースX側は以前からインドでのスターリンクのサービス開始に意欲を示しており、この数カ月はインド政府が衛星通信サービス用の周波数帯域をどのように分配するのかを巡って、インドの実業家ムケシュ・アンバニ氏が率いる企業と衝突してきた。周波数はオークションではなく、割り当てられるべきだとするマスク氏の主張にインド政府は同意したが、スターリンクの免許申請は依然として審査中だ。
アンバニ氏は、公平な競争条件を望んでいるとインド政府に働きかけている。技術の進歩に伴い、電波オークションに190億ドルを投じた自身の通信会社がブロードバンドの顧客をスターリンクに奪われ、データ通信や音声通信の顧客を失う可能性があると懸念している。
情報筋の1人は「マスク氏はデータを現地に保存することを含め、インドのセキュリティー上の懸念に対応することに同意している」と語った。
スペースX側とモディ氏の事務所にそれぞれコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
また情報筋によると、マスク氏が率いる米電気自動車(EV)メーカーのテスラ(TSLA.O), opens new tabが計画しているインド進出が会談で話題に上るかどうかは不透明なものの、インドからのEV部品の調達拡大が論点の1つになる公算が大きい。
マスク氏はかねてからインドのEVの輸入関税が高いことを批判している。テスラは数年間にわたって現地生産拠点の設立に関する協議を繰り返してきたが、計画はまだ具体化していない。
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