午前のドルは143円台へ反発、日米財務相会談終え円高一服

 午前のドルは143円台へ反発した。2018年2月撮影(2025年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

[東京 25日 ロイター] – 午前のドルは143円台へ反発した。日米財務相会談で一段の円安是正を求められる可能性があるとの市場の思惑が空振りとなる形で、円が緩やかに売り戻された。しかし、来週に行われる2回目の関税に関する日米協議などに注目する声が多く、円安も限られた。

午前のドルは143円前半まで上昇し、前日海外安値から1円弱切り返した。会談に先立ち、ベッセント米財務長官が為替目標に関する議論は念頭にない、との見解を明らかにしていたこともあり、日本時間午前6時過ぎに会談を終えた加藤勝信財務相が記者会見したが、ドルは142円半ばで目立った反応がなく、その後買いが緩やかに強まる程度にとどまった。

りそなホールディングス・シニアストラテジストの井口慶一氏は、投機筋が過去最大の円買いポジションを構築する手掛かりの一つだった為替協議が波乱なく終わったことで、「持ち高調整的な円の売り戻しが出やすくなっている」との見方を示した。「(日米当局が)強引なドル安誘導をする意図があったわけではないことが判明し、切り下げの思惑で売られた分、ドルが戻している」側面もあるという。

加藤財務相は会見で、今回の財務相会談では「為替水準の目標や、それに対する管理する枠組みとか、そういった話はまったくなかった」ことを明らかにした。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏も最近の円高は、投機の円買いが主因だったとして「日米貿易協議に絡む円高ストーリーが一服し、対中関税率の引き下げや米国内での減税議論などが重なれば、ドルは150円台を回復する可能性がある」としている。

円は対ドル以外でも小幅ながら売られ、豪ドルは91円前半から後半へ上昇した。

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