公開日時 2025年04月23日 05:00
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証言集を出版した小松瑠美子さん(左)と夫の智さん=22日、名護市の琉球新報北部支社
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琉球新報朝刊
【名護】1941年のアジア太平洋戦争の開戦に伴い、「敵性国民」として米国本土の強制収容所に送られたペルーの県系移民の証言集がこのほど、自費出版された。ペルーに移民した日系人の強制収容の実態や背景について、当時の証言を基に、沖縄国際大学大学院で論文をまとめた小松瑠美子さん(71)=名護市=が著した。
小松さんは22日、夫の智さん(71)と琉球新報北部支社を訪れ「多くの人が手に取って、当時の状況を知ってほしい」と願った。智さんは「ペルーの移民は戦争で翻弄(ほんろう)され、二重三重に苦労したことは知られていない」と証言集の意義を強調した。
ペルーでは1940年前後から反日感情が高まり、首都のリマでは排日暴動事件も発生した。アジア太平洋戦争開戦後は団体、機関の長が米本土に強制移送されたり、全財産を没収された移民もいた。
掲載した証言はいずれも小松さんが20年ほど前に聞き取った。父を追って収容所に向かった話や、日本国内の米国人との人質交換で日本へ送還された話、帰国後に沖縄戦に巻き込まれた話など、10人の証言が約200ページに収まっている。小松さんの論文も加筆修正して掲載している。
社会人になってから大学生になった小松さん。講義の課題に取り組む中で、ペルー移民だった智さんの叔母から聞いた証言に興味を持ったことが論文執筆につながった。証言集出版は長年抱いていた悲願で、家族の支えを受けながら3年がかりでこぎつけた。
証言集は100部発行し、県立図書館や証言者の家族などに配布した。個人の希望者には適宜対応する。問い合わせは電話0980(54)3388(小松さん)。 (武井悠)

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