朱建栄(しゅ・けんえい)東洋学園大学客員教授 1957年、中国上海生まれ。上海国際問題研究所付属大学院修士課程修了。学習院大学で博士号(政治学)。1986年、総合研究開発機構(NIRA)客員研究員として来日。東京大学非常勤講師などを経て現職。

 トランプ関税の標的は明確だ。国力をつけた世界第2位の経済大国は徹底抗戦と、中国人政治学者は強調する。(構成=浜田健太郎・編集部)

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 中国の李強首相は4月初頭の国内会議で、米国による追加関税はほとんど全て予想し、最悪の状況に準備を整えたと発言している。覇権国と台頭する新興国は軍事衝突するという「トゥキディデスの罠(わな)」の理論からみても、中国の追い上げを振り落とすことは、米国のエリート層の総意だ。ただ、トランプ大統領は経済重視であり、対中国への揺さぶりとして経済分野が決戦の場になっているのだろう。

 トランプ氏の交渉スタイルは、拳を高く振り上げて相手に譲歩を迫るもの。中国はもっと反撃しないとかえって押し切られる。世界の多くの国は直接米国を批判し、対抗することはできないけれども不満であることは間違いない。中国は米…



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