米国株式市場=急落、ダウ699ドル安 FRB議長が成長鈍化に言及

米国株式市場は急落し、ダウ工業株30種は699ドル安で取引を終えた。16日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 16日 ロイター] – 米国株式市場は急落し、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは699ドル安で取引を終えた。半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabが対中国半導体輸出に対する米国の新たな規制で多額の費用負担が生じると警告したことに加え、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米経済成長は減速しつつあるという見解を示したことで売りが加速した。パウエル議長はシカゴ経済クラブで行った講演で、米経済成長は減速しつつあるという見解を表明。消費支出は緩やかに増加しているものの、関税を見越した輸入急増は国内総生産(GDP)見通しを圧迫する公算が大きく、景況感も悪化していると述べた。 もっと見る

CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は「関税措置で経済成長が鈍化しインフレが一段と根強くなるとの懸念が出ていたが、パウエル議長の発言はこうした懸念を確認する格好となった」と述べた。

株価はパウエル議長の発言後に下げ幅を拡大。半導体株の下げが目立ち、フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabは4.1%安となった。エヌビディアは15日夜、人工知能(AI)向け半導体「H20」を巡り、輸出許可が必要になると米政府から通知があったとし、55億ドルの費用を計上すると明らかにした。H20は米政府による半導体の対中輸出規制を受け、エヌビディアが中国市場向けに設計した製品の一つ。 もっと見る

関税を巡り、米国と中国の貿易摩擦が激化している。

また、半導体製造装置メーカー、ASML(ASML.AS), opens new tabは16日、関税の影響で業績見通しの不確実性が増していると警告した。 もっと見る エヌビディアは6.9%下落。米国の新たな規制はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)(AMD.O), opens new tabにも影響し、同社株は7.3%安となった。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア投資ディレクター、ビル・ノーシー氏は「市場では依然として流動的な関税の詳細を消化する動きが続いており、その結果、投資家、企業、消費者が直面している不確実性は信じられないほど高い」と指摘した。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)(.VIX), opens new tabは32.64に上昇した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.58対1の比率で上回った。ナスダックでも2.02対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は160億8000万株。直近20営業日の平均は180億株超。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version