米国が中国製品に課した最大145%の関税への報復として、中国が国内の航空会社に対し、米ボーイングの航空機の追加納入を一切受けないよう指示したことがわかった。事情に詳しい関係者が明かした。
関係者らによると、中国政府は、米企業からの航空機関連の機器や部品の購入も停止するよう求めた。この指示は、中国が11日に米製品に対して125%の報復関税を課すと発表した後に出されたという。関税の導入により、米国製の航空機や部品のコストは2倍以上になるため、中国の航空会社がボーイングの航空機を受け入れることは、非現実的になる。
ブルームバーグ・ニュースによるこの報道後、ボーイングの株価は時間外取引で一時4.6%下落した。同社の株は14日までに、年初から10%下落している。

中国南方航空のボーイング737MAX8機
Source: Bloomberg
この関係者らは、中国政府がボーイング機をリースしている航空会社に対し、コスト上昇に対する何らかの補助を検討していることも明らかにした。
ボーイングは、急速に展開する米中の貿易戦争に巻き込まれた格好だ。状況は流動的で、さらに変化する可能性がある。トランプ米大統領は、中国から輸入されたアップルのスマートフォン「iPhone」などを対象に、関税の一部を停止してもいる。
航空機の生産データ分析のアビエーション・フライツ・グループによると、中国南方航空、中国国際航空、廈門航空への各2機など、ボーイング737MAX計約10機が中国の航空会社に納入予定だ。一部の機体は米シアトルにあるボーイングの工場近くに駐機しているほか、中国東部・舟山にある最終工程センターに置かれているものもある。
一部の納入の手続きや支払いは、中国政府による報復関税の発表や発動の前に済んでいる可能性があり、関係者は、こうした機体については、中国国内への納入が認められそうだと話している。
中国民用航空局は、コメントの求めに返答しなかった。ボーイングはコメントを控え、中国南方航空、中国国際航空、廈門航空もコメントの求めに応じなかった。

中華航空のボーイング737MAX機
Source: Bloomberg
世界最大の航空機市場の一つである中国での納入停止は、ボーイングにとっては痛手だ。中国は、今後20年で、世界の航空機需要の約20%を占めると予想されている。2018年には、ボーイングの出荷の25%近くが中国向けとなった。ただ、米中の貿易摩擦や、ボーイングのトラブルにより、同社はここ数年、中国からの大きな受注を発表していない。

ボーイングには、中国の航空会社向けに製造された完成機の在庫がまだ多数残っている。同社は、貿易摩擦の激化が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で打撃を受け、このところようやく正常化の兆しを見せ始めた供給網を、さらに傷つける可能性があると懸念を示している。
原題:China Orders Halts to Boeing Jet Deliveries as Trade War Expands(抜粋)
(詳細を追加し更新します)

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