中国の対外投資、香港のチャンスに 金融管理局総裁が指摘

3月26日、香港金融管理局(中央銀行に相当)の余偉文総裁(写真)は香港を経由した中国資本の対外投資が今後数年、香港にとって最大のチャンスになるとの認識を示した。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Tyrone Siu)

[香港 26日 ロイター] – 香港金融管理局(中央銀行に相当)の余偉文総裁は26日、香港を経由した中国資本の対外投資が今後数年、香港にとって最大のチャンスになるとの認識を示した。

英銀行大手HSBC(HSBA.L), opens new tabが香港で開催したグローバル・インベストメント・サミットで述べた。

総裁は、広東・香港・マカオ大湾区(グレーターベイエリア)で金融商品の相互投資を認める「理財通(ウェルス・マネジメント・コネクト)」について、香港が規制緩和を検討しており、本土の他の都市にも拡大できないか検討していると発言。

今後数年の大きなチャンスは、海外資本が香港を経由して中国本土に向かう「北向き」よりも、中国資本が香港を経由して海外に向かう「南向き」にあると指摘した。

中国本土への資金流入は近年、中国経済の見通し悪化や地政学的な不透明感を背景に鈍化しているが、中国の対外投資は上向いており、香港はこうした資本移動の恩恵を受けている。

総裁は、こうした流れが今後数年でさらに強まると予測。中国本土の投資家が株式・債券・理財商品の相互取引制度を通じた海外への投資を継続するとの見方を示した。

香港株式市場の取引高の20─30%は株式相互取引制度を通じて中国本土から流入する資本だという。

長期投資家が香港市場に戻ってきているとも指摘。中国の景気刺激策のほか、AI(人工知能)新興企業ディープシークなどAIイノベーションに対する期待が背景という。

また、近年の貿易ルートの変化により、国際貿易で人民元が使用される機会が増えており、これも香港にプラスになると発言。

「香港では人民元建て債券の発行を通じた資金調達活動も活発化している」とし、発行額が3年間で倍増し、昨年1兆元(1376億6000万ドル)を超えたと述べた。人民元建て融資は同期間に3倍の7500億元に増加したという。

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Kane Wu covers M&A, private equity, venture capital and investment banks in Asia. She tracks the region’s most high-profile deals, fundraisings as well as investment trends amidst geopolitical, macroeconomic and regulatory changes. She was nominated for a SOPA Excellence in Business Reporting award for coverage of China regulatory crackdown in 2021. Prior to Reuters, she worked at the Wall Street Journal and also wrote about Asia’s loan market for Thomson Reuters Basis Point. She is based in Hong Kong.

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