ヴィンテージブームの陰で…“偽ブランド品”過去最多 本物見抜く買取査定の舞台裏【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年3月14日)

 今、金や中古ブランド品が高騰していて、買い取り店に売りにくる人が増えている。その一方で“偽ブランド品”が持ち込まれるというケースも相次ぎ、問題となっている。

■20年前10万円のブレスレット…まさかの査定額

 先月1グラムあたり1万5909円と、過去最高値を更新した金の小売り価格。高騰が続くなか、買い取り専門店では…。

利用客
「(金が)すごく上がってるって聞いているので。50万円とかになるとうれしい」

 男性が持ち込んだのは20年前に10万円で購入した18金のブレスレットと、片方だけのカフスだ。

利用客
「(カフスが)片っぽしかないので」

店員
「見つからなかったですか?」

利用客
「そうですね。色々捜してみたんですけど」

 掃除中にたまたま見つかったものだといい「捨てるぐらいならば」と持ち込んだという。これがまさかの査定額に。

店員
「本日ですと、90万6400円でお買い取りができます」

利用客
「そうなんですね。えぇー!」

 ブレスレットは購入時のおよそ8倍の81万円。さらに、片方だけのカフスも9万円の値が付き、合計で90万6400円の査定に。高額査定の結果に男性は…。

店員
「いかがいたしましょうか?」

利用客
「もちろん買い取りで」

 物価高やリサイクルへの意識の高まりから拡大を続けるリユース市場。実は今、金だけではなく、買い取り価格に異変が起きているものがある。

■ブランドバッグ ヴィンテージブームで人気上昇

利用客
「母がだいぶ前に買って、ずっと使っていて」

 この日、女性が持ち込んだのは、数年前に母親から譲り受けたというシャネルのチェーンバッグ「マトラッセ」2点。およそ30年ほど前に購入した品だという。当時の販売価格は1つ10万円~20万円。しかし、長年使いこまれたバッグには汚れが目立ち、破れているところもある。

利用客
「ちょっとでもお金になったらなっていうので持ってきたので」

 予想額は2つで3万円だが、査定の結果は17万円となった。なぜ、傷や汚れが目立つ30年前のバッグが高額査定になったのか。

買取大吉 森祐太郎査定員
「今、ヴィンテージブームっていうのがありまして。有名人がインスタとかで身に着けてアップされると思うんですけど、それをマネしたい方が多いんですね。20~30年前のモデルでしたら、金額も財布に優しいというところで需要がある」

 街で聞いてみても…。

20代女性
「めっちゃ持ってます。(ヴィンテージだと)周りとかぶりにくかったりとか、すごいきれいだったりするので」

 ヴィンテージブームで人気の中古ブランド品だが、注意しなければならないのが偽ブランド品だ。

 先週、財務省は全国の税関で差し止められた偽ブランド品などの知的財産侵害物品の数を発表。去年1年間で、過去最多の3万3019件。一日あたりでは、およそ3500点に上る。

■財布と腕時計が、まさかの査定に

 急増する偽ブランド品は、買い取りの現場でも。この日、店を訪れたのは20代の男性。持ち込んだのは、ルイ・ヴィトンの財布と半年前に付き合っていた彼女からプレゼントされた、人気ブランド「オメガ」がスヌーピーなどとコラボした腕時計の2点だ。

利用客
「(時計は)結構人気と聞いていた」

 人気ブランドの時計に期待が膨らむ。予想は2つ合わせて1万円。果たして…。

査定員
「まず財布から。1万7000円をつけさせていただきます。良かったですか?」

利用客
「はい」

 財布だけで予想を超える査定に。しかし…。

査定員
「こちら(時計)なんですけども、お調べさせていただいた結果、こちらに関してはお買い取り、私たちのほうではすることができない。針先の部分ですね、塗料が流れて、ここにたまってるような状態に」
「(Q.先端が潰れているみたいな?)そうですね。ちょっと浮いてるような感じ」

 期待していた時計は買い取りの基準に満たない“基準外品”。精巧に作られた偽ブランド品の可能性が高いという。

利用客
「1円にもならない?」

査定員
「そうですね。ちょっと難しいですね」

 この査定結果に、男性はこう話した。

利用客
「そんなに使い込んでいるわけでもなかったので、どちらかというと時計のほうが高く売れそうなイメージだった」

■30万円で購入の“ヴィトン”が…

 買い取りの現場では他にも。

利用客
「去年くらいに頂いたんですけど、新品でもらって全然使ってもないし」

 知り合いからもらったというルイ・ヴィトンのバッグを持ち込んだ女性。バッグは海外で購入したものだという。

利用客
「自分自身ブランド物を持つタイプではないので。調べたところ元の値段が30万円ちょっとくらいしていたので」

 予想額は正規品の半額の15万円。しかし…。

査定員
「本来きれいに処理されているんですけど、ちょっとボコボコしているので怪しいなっていうのと、においがちょっとビニールっぽい」

 果たして、査定の結果は…。

査定員
「結論から申し上げますと、当店ではお取り扱いができない品物になる」

利用客
「えー、となると。んーと…何か傷とかありました?」

査定員
「傷とかではないんですけど」

利用客
「そうですよね。さっききれいって」

 女性は買い取りができない理由が分からない様子だったが…。

査定員
「簡単にいうと、正規のものではないかもしれない」

利用客
「そういうことなんですね。そうなんですね…」

 持ち込んだバッグが、偽物の可能性があるという指摘に苦笑い。

利用客
「まさか自分の頂いたものが、(基準外品)と認定されるとは思っていなかったので」

■偽物見分け方 ポイントは?

 増加する偽ブランド品に、買い取り店ではどのように対応しているのか。

買取大吉 オークション事業部DPSマネージャー
安井敏晃さん
「(持ち込まれるブランド品は)直営店で一日に1600品前後ですね。1600品に対して、130品前後、基準外の査定依頼が入ります」

 日々持ち込まれる大量のブランド品。買取大吉では、全国の店舗に持ち込まれた商品を、本社のスペシャリストたちが見極めをしている。

 各店舗から詳細な写真とともに査定の依頼が来ると…。

査定員
「確認お願いします。シャネル復刻トートバッグですね」

安井さん
「素材感が…あー…」

査定員
「はい、もう全部。ロゴも(おかしい)。全然ダメっすね」

 店舗から依頼があったのはシャネルのバッグ。正規品と比較すると、ロゴに不自然な点が…。

安井さん
「こちらの内側に使われてるこのロゴのプレートの部分が、正規品では使われていないものでして。そもそもプレートではなくて、生地に直接ロゴがプリントされているモデルなので、非常に分かりやすい」

 今回のような疑いがある商品は、2人以上で確認を行う。こちらの商品も基準外品という査定結果となった。

 偽ブランド品が増えるなか、見分けるためのポイントはあるのか。実際に正規品と偽ブランド品を比較してみると…。

安井さん
「まず、パッと見て私が目につくポイントが持ち手の側面ですね。正規品に関しましてはツヤのあるきれいな処理が施されていますが、こちらの模倣品に関しては、インクを厚く塗布したような形で仕上げられておりまして」

 ポイントは他にもある。

安井さん
「こちら正規品の金具になるんですけれども、表面のですね凹凸もなく作られて、仕上げられておりますので、光に当てても反射が非常にきれいに。一方、こちらの模倣品に関してはですね、メッキ処理を施した後にしっかりと研磨がされていないので、表面が若干凹凸があって、光の反射もまばらで、やはり粗悪な作りに仕上げられています」

 比較すると、正規品と偽ブランド品の違いがよく分かる。

安井さん
「(偽ブランド品も)技術の進歩と、使用されてる素材が非常に良いもので作られるようになりましたので、まずは一度プロの鑑定士にご依頼いただいて、見ていただくのが、一番安心できるのではないかなと思います」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年3月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

6 Comments

  1. 18Kをグラム1万円で買取してるけど、時期にもよるけど今年の撮影なら平均1グラムで11000円は超えてるんだけど

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