静岡県熱海市で発生した土石流の起点付近にあった「盛り土」について、静岡県が届け出を超える量の土が盛られていたと発表した。

 この土地の現在の所有者の代理人弁護士が、前に土地を所有していた不動産会社に対して、法的措置を検討しているということが分かった。

■盛り土の新事実(1)・・・届け出の1.5倍以上

 7日、崩落現場から2キロほど離れた、伊豆山港付近で撮影された映像。土砂で埋め尽くされた水路。そこへさらに、上から土砂がこぼれてくる。

 発生から5日目となった7日、静岡県の難波喬司副知事は、土石流の起点となった盛り土について、いくつもの“新事実”を明らかにした。

 崩落現場の盛り土の量は、当時、土地を所有者していた不動産会社が、行政に届け出ていた量より、2万立方メートル近く多かったと推定されている。また、盛り土の高さも、当初の計画より3倍以上になっていたという。

 2010年に撮影された映像では、崩落現場付近に、土が階段状に積まれていたことが確認できるが、県によると、これらは届け出ている量を、はるかに超えていたという。

■盛り土の新事実(2)・・・排水に不備?

 静岡県・難波喬司副知事:「盛り土をしてふたをしたことになるので。水はどんどんここにたまることになる。ここで水を抜くというのが、基本中の基本。盛り土の工法が適切であったのかというと、技術者の個人的見解として、この工法は不適切であっただろうと思います」

 崩落現場の盛り土には、本来、必要な排水溝などが設置されていなかったという。

■盛り土の新事実(3)・・・何度も指導

 静岡県・難波喬司副知事:「熱海市から、盛り土の中に産業廃棄物が混ざっていることが、判明致しました。撤去の指導をしております」

 県や市は、これらの様々な違反行為について、これまでに何度も当時の所有者だった不動産会社に指導を行っていたことを明らかにした。

 その後、2011年に、この不動産会社から、現在の所有者へと土地が売却される。今回の盛り土崩落を受け、現在の所有者の代理人弁護士は、「ひどい土地と知らずに買わされた」として、前に所有していた不動産会社に対して、法的措置を検討しているという。

■盛り土の新事実(4)・・・辺り一帯が土地改変

 難波副知事は、崩落現場の周辺で、盛り土の他、宅地造成や太陽光発電施設の設置など合わせて7カ所で、土地の改変、開発が行なわれていたことを明らかにした。

 現場近くでは最近まで、残土などを運搬するトラックが、度々目撃されていたという。ただし、難波副知事は、今回の土石流について、盛り土以外の場所の影響は少ないとしている。

 静岡県・難波喬司副知事:「現場に入ってみた目で言うと、この(すぐ隣の太陽光パネルの)影響がゼロとは言いませんが、これが大きな影響を与えたかというと、そうではないと思う。災害を甚大化させたのは、ここにあった盛り土の、5万(立法メートル)を超える盛り土であったことは、推定ではなくて確実」

 現場では捜索活動が続いているが、いまだ25人の行方が分かっていない。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2021年7月7日放送分より)

※最新の情報は静岡県のHPをご確認下さい。

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