イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラム組織ハマスが人質全員を解放しない場合、「地獄の門が開かれる」と威嚇した。ルビオ米国務長官との会談後、記者団に語った。

  イスラエルは米国と全面的に協力、連携しているとネタニヤフ氏は指摘。「我々には共通の戦略があるが、その詳細を常に公表することはできない。これには地獄の門が開かれる時期も含まれる。人質全員が解放されない限り、地獄の門は確実に開かれるだろう」と述べた。

  ハマスが10日、15日に予定されていた次の人質解放を延期すると発表したことを受けて、トランプ米大統領は15日までに「人質全員が戻らなければ」、イスラエルは停戦合意を破棄すべきだと述べていた。ハマスはその後、態度を軟化させ、15日に当初の合意通り人質3人のみを解放したが、イスラエルは引き続き停戦を順守している。

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  トランプ氏は人質3人が解放された後、期限内に人質全員の解放が実行されなかったことでイスラエルが下すいかなる決定も支持すると述べた。

  イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏は16日、ウィットコフ中東担当特使と協議した。ネタニヤフ氏は交渉継続に向けて17日にエジプトの首都カイロに交渉団を派遣するとともに、安全保障内閣の閣議を開いて今後の対応を協議すると明らかにした。

  ウィットコフ氏は同日、FOXニュースとのインタビューで、停戦合意の第2段階に進むだろうとの楽観的な見方を示した。これには、拘束されているイスラエル兵の解放と恒久的な停戦が含まれる。

  同氏は「第2段階では戦争終結とともに、ハマスが政府に関与せず、同時にガザから撤退することも想定されており、交渉をまとめることはやや複雑かつ困難なものになる」と指摘。「そのため、この2つをうまく調整しなければならない」と述べた。

  またネタニヤフ氏は会見で、パレスチナ自治区ガザの将来を巡るトランプ氏の「大胆なビジョン」に対して改めて支持を表明。イスラエルと米国が協力して構想を実現する方策についてルビオ氏と話し合ったと明らかにした。

  トランプ氏は、ガザ地区の住民を隣国のエジプトやヨルダンに移住させた上で、米国が大規模なガザ再開発を担う考えを表明。だが、両国やその他のアラブ諸国はトランプ氏の計画に反対している。

  国務長官として今回初めて中東を公式訪問したルビオ氏は、ハマスは「排除されなければならない」と言明。ハマスが統治や行政、あるいは暴力による脅しを行う勢力として存在する限り、「平和は不可能」だと述べた。ルビオ氏はこの後、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を訪問する予定。

  またイスラエルと米国は「肩を並べて」イランの脅威に対抗するとネタニヤフ氏は説明。中東地域におけるイランの侵略を後退させる必要があるとの認識でルビオ氏と一致したと述べた。

  その上で、イスラエルは「イランのテロの枢軸に強力な打撃を与えた」とし、米国の支援があれば「我々は仕事を完了することができるし、やり遂げるだろう」と続けた。

  ルビオ氏はイランについて、中東における「最大の不安定要因」と断じ、この問題に対処しなければならないと指摘。イランが核保有国になることは決してあり得ないと述べた。

原題:Netanyahu Touts US Support, Echoes Trump’s Warning to Hamas (2)(抜粋)

(第5ー7段落にウィットコフ中東担当特使の発言などを追加して更新します)

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