[東京 3日 ロイター] – 3日の東京株式市場で、トヨタ自動車 (7203.T), opens new tabなど自動車株が売られている。トランプ米政権が4日に発動する関税対象のメキシコとカナダには自動車産業が集積し、日系メーカーも両国で生産した車両を米国へ輸出、関税の影響は避けられないとみられている。カナダとメキシコは報復関税を表明しており、対象品目に含まれないながらも米国からカナダへ鉱山機械を輸出するコマツ (6301.T), opens new tabの株も下げている。東証33業種で輸送用機器(.ITEQP.T), opens new tabは寄り付きから値下がり率トップ。午後になって下落幅を5%超に広げた。メキシコとカナダに生産拠点を持つ自動車メーカーは下げがきつく、トヨタ自動車は5%超安、日産自動車(7201.T), opens new tabとホンダ(7267.T), opens new tabは6%超安、マツダ(7261.T), opens new tabは7%超安で推移している。

市場では「カナダやメキシコが報復関税を課す方針で、今後の報復合戦が警戒される。自動車株はサプライチェーンへのダメージが避けられないとみられ、業績にも悪影響が出るとの懸念から下げがきつくなっている」(GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏)との指摘が聞かれた。

日本貿易振興機構(ジェトロ)がデロジエ・オートモーティブ・レポートを基にまとめた日系各社の2023年生産実績は、メキシコは日産が3拠点で年間59万9029台、トヨタが2拠点で25万0017台、マツダが1拠点で20万2506台、ホンダが2拠点で16万7252台。カナダはトヨタが2拠点で52万5811台、ホンダが1拠点で37万4467台だった。

アイテム 1 の 2  2月3日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比1052円40銭安の3万8520円09銭と4日ぶりに反落して取引を終えた。東京証券取引所で2024年12月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[1/2] 2月3日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比1052円40銭安の3万8520円09銭と4日ぶりに反落して取引を終えた。東京証券取引所で2024年12月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

トヨタによると、同社はメキシコで生産した車両のほとんどを米国へ輸出。ホンダは8割、マツダは6割輸出している。日産は輸出の割合を明らかにしていない。

関税の影響について各社にコメントを求めたところ、マツダは「⾃動⾞業界や弊社への影響については、政策を急ぎ精査し、弊社ビジネスに与える具体的な影響を評価する」と回答した。トヨタは回答を控えた。他社のコメントは現時点で得られていない。

ジェトロが1月8─10日に在米の日系企業を対象に実施した調査によると、回答があった260社の半数近くがトランプ政権の関税政策の影響を受けると答えた。自由貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」のルールを無視して関税が課されれば「事実上、北米の自動車サプライチェーンは崩壊する」との声も寄せられた もっと見る 。建機大手のコマツは米国で生産した鉱山機械をカナダへ輸出しており、小川啓之社長は昨年12月のロイターとのインタビューで、カナダが報復関税を課すことを懸念していた もっと見る 。カナダのトルドー首相は1日、米国からの輸入品に4日から報復関税を課すと表明。米国産のビール、ワイン、バーボン、果物・ジュースなどを対象とし、トランプ氏の地元フロリダ州産のオレンジジュースも含まれる。このほか衣料品、スポーツ用品、家電製品なども対象にするという もっと見る 。

コマツはロイターの取材に「現状では建設・鉱山機械は報復関税の対象に入っていないと認識しているが、状況は引き続き注視する」とした。

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