米国株式市場は下落して取引を終えた。2013年10月撮影(2025年 ロイター)Carlo Allegri
[ニューヨーク 10日 ロイター] – 米国株式市場は下落して取引を終えた。12月米雇用統計が好調だったことでインフレ懸念が再燃し、米連邦準備理事会(FRB)が今年の利下げに慎重になるとの見方が強まった。
主要株価指数は2週連続で下落して取引を終えた。
CFRAリサーチの市場ストラテジスト、サム・ストーヴァル氏は、株式市場を取り巻く環境は「かなり厳しいものになる可能性がある」と述べた。
中小型株で構成するラッセル2000指数(.RUT), opens new tabも2.27%下落した。投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(ボラティリティー・インデックス)(.VIX), opens new tabは3週間ぶりの高水準を記録した。米労働省が10日発表した2024年12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は25万6000人増加し、市場予想の16万人増を上回った。失業率は4.1%と、前月の4.2%から低下した。 もっと見る
市場は現在、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の引き下げを少なくとも6月まで待つと予想している。
証券各社もFRBの利下げ予想を修正。バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチは利上げの可能性も想定した。 もっと見る
S&P総合500種主要11セクターのうち大半が下落した。
米ミシガン大学が10日に発表した1月の消費者の1年先の期待インフレ率(速報値)は3.3%と、前月の2.8%から上昇し、昨年5月以来の高水準となった。 もっと見る
これも市場の軟調ムードに拍車をかけた。
市場の次の注目は15日に発表される消費者物価指数(CPI)となっている。
個別銘柄では、エヌビディア(NVDA.O), opens new tabが約3%安となるなど、半導体株が下落。米国が早ければ10日にも新たな輸出規制を発表する可能性があるとの報道を嫌気した。電力会社のコンステレーション・エナジー(CEG.O), opens new tabが25.16%高。独立系発電事業者の米カルパインを約164億ドルで買収することで合意した。米アルコール飲料大手コンステレーション・ブランズ(STZ.N), opens new tabは17.09%下落。年間売上高と利益の見通しを引き下げたことが弱材料となった。好決算を発表したドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA.O), opens new tabは27.55%上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.24対1の比率で上回った。ナスダックでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.32対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は162億4000万株。過去20営業日の平均は123億1000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場
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