いくら「注意して」と情報を発信しても、「自分には関係がない」「まさかここが」という考えから、スルーしてしまう。

また、そもそもそのような情報を目にしていない場合も多い。

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言や、選挙が行われていることも知らない人たちが増えているが、「本当に必要な情報」ではなく「自分が欲しい情報」のみを選べるネット時代において、その弊害が問題視される。

このような状態ではいくら情報発信しても犠牲者を減らせない。

気象庁 キキクル(危険度分布)
https://www.jma.go.jp/bosai/risk/

重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/

再生リスト:人は皆、自分だけは死なないと思って生きている
(防災)正常性バイアス・集団同調性バイアス

静岡 熱海市 土石流が発生 20人安否不明 2人が心肺停止
2021年7月3日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210703/k10013117711000.html

熱海で土石流を起こした大雨の原因は(静岡県)
【田中気象予報士解説】熱海で土石流を起こした大雨の原因は(静岡県)

土石流 2人心肺停止 約20人不明 熱海で土砂災害 150人避難(FNN)
土石流 2人心肺停止 約20人不明 熱海で土砂災害 150人避難
静岡・熱海市で土石流発生 約80世帯流されたか

静岡・熱海市で土石流、20人程度が安否不明(JNN)
https://youtu.be/GnW263pUI0k
https://youtu.be/pRXRBYCfVEE

===== NHK ニュース =====
静岡 熱海市 土石流が発生 20人安否不明 2人が心肺停止
2021年7月3日 19時01分

静岡県によりますと、3日午前10時半ごろ熱海市伊豆山地区の逢初川で土石流が発生しました。土石流は逢初川を南東方向に向かって海までおよそ1キロにわたって流れ出たとみられるとということです。

土石流で多数の住宅が流され警察や消防、自衛隊などが救助活動を行っていて、県によりますと2人が海上保安部によって海で救助されましたが心肺停止の状態で、安否不明者はおよそ20人いるとみられるということです。

県は安否不明者の人数については正確に確認できていないとしていて、警察や消防などが救助活動を行うとともに被害状況の確認を進めています。

自衛隊は、静岡県からの災害派遣要請を受けて3日午後1時前、御殿場市にある陸上自衛隊板妻駐屯地の第34普通科連隊の隊員およそ30人を、熱海市の土石流の現場に派遣しました。

〇静岡県知事「総力あげて応急活動に取り組む」
静岡県の川勝知事は3日夕方記者会見を開き、熱海市の伊豆山地区で発生した土石流について、「海上で2人が心肺停止の状態で見つかったほか、およそ20人の安否がわからなくなっているという情報が入っている。避難をしている人も多く、心からお見舞い申し上げる」と述べました。

そのうえで「自衛隊に出動を要請し、消防や警察とも連携して情報収集にあたっている。総力をあげて災害応急活動に取り組む」と述べ、関係機関と連携して被害情報の収集や救助活動に全力で取り組む考えを示しました。

また、川勝知事は「今後さらに雨が降ることも予想されるが、すでに地盤が緩んでいるところがある。危ないところからは避難所などに避難し、自治体の情報に注意して安全の確保に万全を期して欲しい」と呼びかけました。

〇2人が病院に搬送
現場からおよそ3キロ離れた熱海市昭和町にある「熱海所記念病院」によりますと、今回の土石流でけがをしたとみられる2人が、救急車で病院に搬送されて治療を受けているということです。

警察によりますと、土石流の被害があった逢初川流域で、少なくとも住宅10棟が流されたことを確認したということです。

〇緊急安全確保 静岡 熱海市内全域2万957世帯に
静岡県熱海市は土砂災害が発生するおそれが極めて高まったとして、これまでに市内全域の2万957世帯の3万5602人に、「緊急安全確保」を出しています。
警戒レベルで最も高いレベル5で、近くの建物や自宅の上の階、斜面から離れた場所など周囲の状況を確認し、少しでも安全な場所で命が助かる可能性の高い行動を取るよう呼びかけています。

〇熱海で停電 JR伊東線は全線運転見合わせ
東京電力によりますと、午後6時現在、静岡県内で1500戸余りが停電しています。停電しているのは土石流の被害が発生した熱海市伊豆山の1500戸余りで、東京電力は復旧作業を進めています。

またJR東日本によりますと、JR東海道線は大雨のため、神奈川県の小田原駅と静岡県の熱海駅の間で、3日は終日、運転を見合わせるということです。また、JR伊東線も大雨で線路下の斜面が崩れた影響で、3日は終日、全線で運転を見合わせるということです。

〇「また発生も」
土砂災害に詳しい東京農工大学の石川芳治名誉教授は、「映像からは土石流が発生しているように見える。熱海市周辺は勾配が急な山があり、水を含んで流れやすい火山性の地質が多く土石流が起きてもおかしくない。一度土石流が起きたところでも崩れた土砂がまた水をためて崩れたり、ほかの場所でも水分が地中にしみこむまでに時間がかかったりするので、雨が弱まっても土砂災害の危険性はすぐに下がらない。映像からは土砂が時速数十キロの速さで下っているように見える。土石流などが起きてからでは逃げるのは難しい。土砂災害の危険度が高い地域では避難指示などが続いている間は土砂災害警戒区域から離れてほしい」としています。

〇「ほかの場所でも危険」
静岡大学防災総合センターの北村晃寿 教授は「このあたりは火山岩の地盤で、長年の雨で削られた谷にたまった岩石が、大量の水分を含んで流れ出したことが原因と思われる」と指摘しました。

そのうえで「熱海は、非常に海岸に迫っている急勾配な地形で、谷沿いは特に土石流が起きやすい危険な場所だ。同じような岩石は伊豆半島全体にあり、きょう土石流が起きた場所以外でも、同じようなことが起きてもおかしくないので、雨が続けばしばらく危険な状態が続く」と話していました。

〇“10回以上、土石流のようなものが”
熱海市伊豆山にある寺院の住職は「10回以上、土石流のようなものが襲ってきた。外に出るとすでに土砂が道路を覆っていて、消防が付近の人に避難を促している最中にすごい音がして土石流が流れてくるのが見えたので、走って高台に避難しました。戻ってみると、寺院の前にあった家も車も流されていました。大きな木や壊れた家のものとみられるものががれきになって流れていました」と話しています。

また土砂崩れのあった静岡県熱海市伊豆山地区で釣り具店を営む70歳の男性は、「昨夜から大雨だったが、昼前になって土砂によってすごい勢いで住宅5棟くらいが流されていくのを見た。ゴーゴーという大きな音がして住宅を飲み込み、真っ黒な土砂であっというまに住宅がバラバラになった。こんなことが起きるとは思っておらず驚いている」と話していました。

また伊豆山神社にいる男性は「神社の西側で土砂崩れが起き、けたたましい音がしていた。家も電柱も多くが流されているのが見えた。町内の公民館に多くの人が避難し、いっぱいで中に入れない状況になっていた。土石流が家を直撃したという人も避難していた。あたり一帯では断水と停電が起きている」と話していました。

土石流を目撃したという近所に住む70代の男性は「熱海ではきのうからかなりの雨が降っていたが、そんなにすごい雨だとは思わなかった」と話しました。

土石流の状況については「土石流が起きたのは雨が落ち着いたあとだった。川から異常な音が聞こえて外に出てみるとものすごいスピードで流れる土砂を見た。波の上に建物が乗っているようだった」と振り返りました。

そして男性は「自宅から100メートルほどの場所まで土砂が流れてきて恐怖を感じた。生まれたときから70年以上この土地に住んでいるが大きな災害は今まで一度もなかったのでびっくりしている」と話していました。

〇1キロ離れたホテル「昨夜 高齢者に避難呼びかける無線」
静岡県熱海市で土石流があった現場から1キロほど離れた場所にあるホテルの30代の従業員の男性は、「土砂災害があった地域は高台になっていて海が一望できリゾートマンションや住宅が建ち並ぶ地域です。2日夜になってから、高齢者に避難を呼びかけるような無線が聞こえていました。高齢者が多い地域なのできのうから早めの避難をしていた人もいた様子でした。ホテルでは土石流があったけさ10時半すぎごろに停電が2回ありました。土石流で東京方面への道が分断され車で向かうことができない状況ですが、幸いきのうは車で来たお客さんはおらずみなさん新幹線で帰りました」と話していました。

〇消防団の話
土砂災害があった地区の住民で、救助にあたった消防団の40代の男性は「土砂で巨大な石がたくさん流されてきました。この地区は古い木造の住宅が多く、自分が避難している最中にも流れてきた土砂で家がバラバラになっていました。自分と家族、周辺の人を避難させましたが人手が全く足りません。土砂災害は初めての経験で、手も足も出ませんでした。消防や自衛隊が救助活動に当たっているのでできるかぎり支援したい」と話していました。

〇土石流とは
土石流は、大雨で崩れた土や石が、水と一体となって一気に流れ下る現象です。

流れ下る速度は数十キロと自動車並みに速く、土石流が発生してからでは避難するのが難しい現象です。
土石流は、勾配の急な川や谷があるところ、谷の出口にある扇状地と呼ばれる場所で起こります。
また、火山灰が堆積した地質の場所でも発生するおそれがあります。

土石流は一度発生すると、繰り返し発生することがあるため、警戒が必要です。

〇熱海市網代 平年の7月1か月上回る雨量
静岡地方気象台によりますと、熱海市で土石流が発生した場所からおよそ10キロ離れた熱海市網代の観測地点では、先月30日午後6時の降り始めから3日正午までに389ミリの雨が観測されました。
これは平年の7月、1か月の雨量、242.5ミリの1.6倍にあたります。

熱海市網代ではその後も1時間に数ミリの雨が観測されています。
気象台によりますと、熱海市を含む県内では、3日夜日付が変わるころから雨が再び降り始めて、4日朝に雨足が強まり、午前中は降り続く見通しだということです。

〇発生場所は「土石流危険渓流」
ツイッターに投稿された複数の土石流の映像はいずれも熱海市伊豆山地区の東西およそ500メートルの範囲で撮影されていました。

映っていた建物などから方角や場所を分析したところ、土石流が発生したのは相模湾に面した背後に山地がある険しい地形の地区で、住宅が数十軒密集し、ホテルや旅館なども点在しています。

JR熱海駅から北北東におよそ1キロの場所にあり、この地区の海側にはJR東海道本線と東海道新幹線の線路もあります。

土石流は「熱海ビーチライン」付近まで達しているとみられます。

撮影された範囲は標高が最も高いところから低いところまでの距離で、およそ600メートルにおよんでいます。

国土交通省が公開しているハザードマップによりますと今回発生した土石流は「土石流危険渓流」に重なるように起きたとみられます。

土石流危険渓流は土石流が発生するおそれがあり、住宅等に被害を与えるおそれがある渓流で、都道府県が指定しています。

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気象庁の責任 市役所 人のせい 被害者を減らすためにはどうすればいいのか
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