オーストラリア準備銀行(中央銀行)は10日、予想通り政策金利を4.35%に据え置いた。写真は豪中銀の建物。シドニーで2018年2月撮影(2024年 ロイター/Daniel Munoz)
[シドニー 10日 ロイター] – オーストラリア準備銀行(中央銀行)は10日、予想通り政策金利を4.35%に据え置いた。ただ、インフレが目標に向かっていると「ある程度確信」していると表明、タカ派的な文言を和らげた。
また、前回の声明にあった「何も決定しておらず何も排除していない」との文言や「政策は十分に制限的である必要がある」との文言を削除した。
声明で「インフレと経済情勢に関する最近のデータは依然としてこうした予想と整合性が取れており、理事会はインフレが持続的に目標に向かっているという、ある程度の確信を得つつある」と表明した。 もっと見る
ハト派的なトーンを受け、豪ドルは0.9%下落し1豪ドル=0.6380米ドル。3年債先物は9ティック上昇し96.289と10月以来の高値。 スワップ市場は来年2月の利下げの確率を57%、来年4月までの同確率を100%以上と予想している。
市場関係者はこの日の金利据え置きをほぼ確実視していたが、第3・四半期国内総生産(GDP)が予想を下回ったことを受け、一部の市場関係者は中銀がハト派に転換すると予想していた。
理事会後に会見した中銀のブロック総裁は、2月にも利下げに踏み切る可能性について聞かれると「分からない」と答え、決定までには四半期インフレ統計のほか、労働市場や消費関連の指標があると指摘。「私が言えるのは、データを注視しているということだ」とした。
「これまでのところ、予測通りに推移していると考えており、このまま予測通りに推移すれば、ある時点でインフレ率が目標圏内に戻りつつあると確信し、それを検討することが可能になるだろう」と述べた。
きょうの理事会では利下げを検討しなかったとし、経済指標の軟化を受けて声明文の文言を変更することを意図的に決定したと説明した。
第3・四半期の豪消費者物価指数(CPI)は前年比の伸びが2.8%に鈍化し、中銀の目標レンジ内に入った。ただ、政府の補助で電気料金が一時的に下落したことによるもので、コアインフレ率は3.5%に高止まりした。
<2月利下げに含み>
5月の利下げを予想するナショナル・オーストラリア銀行は、データが特に低調であれば2月に利下げを実施する可能性も否定できないと指摘。シティ・オーストラリアはなお、2月利下げのハードルは高いとみる。オーストラリア・コモンウェルス銀行は、2月の利下げを見込みつつも、まだ確実とは言えないとしている。
ITCマーケッツのシニアアナリスト、ショーン・キャロウ氏は「豪中銀は現在のコアインフレ率の水準に満足していないことを明確にしたが、インフレ見通しについて『確信を得つつある』と2回言及したことで、2月に最初の利下げが行われるとの期待が高まった」と指摘。
また「『何も決定しておらず何も排除していない』との文言を削除したのは非常に歓迎すべきで、おそらく遅すぎただろう」と述べた。
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