米インテル、ゲルシンガーCEOが退任 AI向け半導体で遅れ

米半導体大手インテルは2日、パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)が退任したと発表した。6月撮影(2024年 ロイター/Ann Wang)

[2日 ロイター] – 米半導体大手インテル(INTC.O), opens new tabは2日、パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)を1日に解任したと発表した。インテルは、人工知能(AI)向け半導体で独占状態にある米エヌビディア(NVDA.O), opens new tabなどとの競争を巡り、苦戦していた。

取締役会は後任の選考委員会を設置した。新たなCEOの選定を進める間、デービッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)と上級幹部のミシェル・ジョンストン・ホルトハウス氏を暫定共同CEOに任命した。同社株は今年に入って半値以下に下落している。

関係筋によると、ゲルシンガー氏は先週の取締役会で、再建計画に対する支持を得られなかった。取締役会は改革の進捗も十分ではないと判断したという。

ゲルシンガー氏は2021年にCEOに任命された。台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW), opens new tabなどに半導体生産の主導権が移る中、米半導体業界のけん引役だったインテルの改革を先導してきた。ファウンドリーとして他の半導体企業の委託製造を請け負うほか、技術的優位性を取り戻すという抜本的な事業変革を目指した。

投資顧問会社カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「ゲルシンガー氏の在任期間中に株価は60%超下落したため、今回の解任劇はそれほど驚くことではない」と指摘。「事態を好転させるには新たなリーダーシップが必要であり、ファウンドリーになることに重点を置くという動きを含め、同氏の主要な戦略的決定はすべて破棄される可能性があると言っても過言ではない」との見方を示した。

ゲルシンガー氏の再建計画は、インテルが他社向けのファウンドリーになるビジネスモデルに重点を置いていた。インテルはマイクロソフト(MSFT.O), opens new tabやアマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabなど数社と契約しているが、いずれも収益性確保に必要な大量の受注を得られることはないとみられている。

こうした支出の急増と、ファウンドリー化における目立った進展の欠如が相まって取締役会に亀裂が生じ、ゲルシンガー氏の解任につながったとみられる。

取締役会の独立議長であるフランク・イヤリー氏は「半導体生産の競争力を回復し、世界トップクラスのファウンドリーとなる能力を構築する上で大幅に進歩した。ただ、やるべきことは依然として多く、投資家の信頼回復に全力を尽くす」と述べた。

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