swissinfo.chが毎週月曜日にお届けする「スイスのメディアが報じた日本のニュース」では、スイスの報道機関が配信した日本関連ニュースを要約して紹介しています。こちらのページは、これまでに配信した記事の一覧です。

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2024/11/11 12:50

「スイスのメディアが報じた日本のニュース」では、政治や経済、ビジネス、科学など各分野の日本に関連したトピックスを、スイスメディアがどう報じているか、要約してご紹介しています。

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11月4~11日

若者が子どもを産まないワケ

世界有数の大都市・渋谷は若者と活気があふれているが、電車でわずか1時間離れると学校・幼稚園は閉鎖し、ローカル線は減便――ドイツ語圏の大手紙NZZは日本や韓国、台湾など東アジア先進国で少子化が深刻化する理由を探り、東京の若者にインタビューしました。

インタビューを受けた男女3人の答えはそれぞれ異なるものでした。「子どもは欲しいが今後の収入次第」とする男性、「日本の伝統的な母親像に縛られたくない。自分の仕事とキャリアを優先したい」と話す女性、「子どもを持つとしても、それは人口問題を解決するためではない」と考える女性。記事はこうした声を紹介したうえで、「政治家が若い世代のニーズを無視しているという事実は、3人にとって驚くべきことではない」と伝えています。

「なぜなら、精神的な拠り所として厳しいヒエラルキー思想を持つ儒教の国では、若者の懸念をちゃんと聞いてもらえることはない、と彼らは言う」

万博スイス館スポンサーに疑問の声

2025年大阪万国博覧会に出展予定のスイス館は、「万博史上最小のカーボンフットプリント」を目指す外部リンクと話題です。そんなスイス館の主要スポンサーに、排出量の多いクルージング会社が名を連ねることを疑問視する記事が、ドイツ・フランス語圏の日刊紙ブリックに掲載されました。

焦点を当てたのは、日本でも「MSCベリッシマ」で知られるMSCクルーズ(本社・ジュネーブ)。「水上テーマパーク」とされるクルーズ船はエネルギー消費も大きく、MSCの船舶だけでも年間250万t以上、スイス全体の5%相当の二酸化炭素(CO₂)を排出しているといいます。同社が排出量削減のために使用している液化天然ガス(LNG)も、CO₂より温室効果の高いメタンを放出するとして一部の環境団体から批判されています。

自転車の「ながら運転」なぜ厳罰化?

今月1日に改正道路交通法が施行され、自転車も「酒気帯び運転」やスマートフォンの「ながら運転」が罰則の対象となりました。NZZは、ドイツやスイスに比べても厳しい罰が下されるようになった背景を読み解きました。

記事によると、携帯電話を使いながら自転車で走行した人はドイツで55ユーロ(約9000円)、スイスでは150フラン(約2万6000円)の罰金が科されます。日本では最高10万円の罰金または懲役6カ月。手に持つだけでなくハンドルにホルダーで装着したスマホ画面を見ているだけでも処罰される可能性があり、「処罰されないことを保証したい場合、(自転車から降りて)立ってスマホを使うしかない」と説明しました。

なぜそこまで厳しくするのか?記事は「立法府が『早目に手を打て』の精神で」交通事故撲滅を図ってきたことがある、と読み解きます。昨年、自転車事故そのものは2019年に比べ大きく減った一方、スマホ運転が起こした事故は急速に増えてきています。

自転車利用者に対してはこれまで数十年「放任政策」が採られてきましたが、重量のある電動ママチャリが普及したことで「力の弱い人でも非常に早く加速できるため、歩行者や他の自転車との衝突で重傷を負う危険」が高くなったといいます。歩道の走行や一方通行路の逆走も許されているため、「多くの自転車ライダーは自身が危険であると認識していない」点も指摘しました。

「海外の観客と会話できるのは素晴らしい」 伊藤詩織さんインタビュー

今月からスイスで上映が始まった「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」。ジャーナリストの伊藤詩織氏が自ら受けた性被害を綴ったドキュメンタリー映画で、スイスでは10月のチューリヒ映画祭でドキュメンタリー最優秀賞などに輝き注目されています。伊藤氏本人へのインタビューが、CHメディア系の複数のドイツ語圏地方紙に掲載されました。

インタビュアーを務めたのはスイス人映画評論家のシルヴィア・ポサヴェック外部リンク氏。

「あなたの身に降りかかった出来事に、日本の文化は特別な影響を及ぼしましたか?」――こんな質問に、伊藤氏はこう答えました。「どの文化も変化を嫌う。日本では和を重んじ、大騒ぎをせず、争いを避ける。私が話し始めると、日本の恥だと思われた。そんな問題について話すボキャブラリーも私たちにはなかった」

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少子化、万博、ながら運転、伊藤詩織さん…スイスのメディアが報じた日本のニュース

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2024/11/11

スイスの主要報道機関が先週(11月4日〜10日)伝えた日本関連のニュースから、①若者が子どもを産まないワケ②万博スイス館スポンサーに疑問の声③自転車の「ながら運転」なぜ厳罰化?④伊藤詩織さんインタビュー、の4件を要約して紹介します。

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10月28日~11月3日

自民党大敗で日本は変わる?

与党が歴史的大敗を喫した10月27日の衆院選の後、スイス・ドイツ語圏では敗因を分析する2つの解説記事が掲載されました。

スイスの経済紙フィナンツ・ウント・ヴィアトシャフトは、東京在住ジャーナリストのウルス・シェトリ氏の解説を掲載しました。タイトルは「Abfuhr für Japans Dinosaurier(日本の恐竜に対する拒絶)」。1955年の結成以来ほぼ一貫して与党の座にあった自民党は「現実的に権力を追い求め、その強さは羨むべき長期の政治的安定を日本にもたらした」といいます。

しかし衆院選後は、誰が政権をとっても羨ましい状況ではない、と続けます。最大の課題は米国との関係です。中国・ロシア・北朝鮮の「敵対的な野望から守る」ため、故・安倍晋三氏が進めた外交・安保政策の拡大を維持していかなければならず、そのために「日本政府は、軍事的にも経済的にもこれまで以上に存在感を示していかねばならない」。人口減・高齢化への対処がますます緊急性を増していることも指摘しました。

ドイツ語圏の「ブント」など総合メディアグループTamedia系の地域紙には、東京在住のトーマス・ハーン記者の解説が掲載されました。自民・公明党が過半数を割り、立憲民主党が大躍進したことは「議会審議の文化に好影響を与える可能性が高い」と位置付けました。「自民党の惨敗は、高齢化や少子化、気候保護など慢性的な問題に対処するために国を立て直す好機にもなる」

しかし「誤った希望を抱くな」と続けます。「日本では、全く違う考え方をする人たちの意見に耳を傾ける文化が浸透していない」。中道より左寄りの政党は「委縮」しており、共産党が8議席に減らしたこと、環境保護を全面に掲げる「緑の党」は存在しないことを例に挙げました。

自民党が大敗を喫したのは事実ながら、他の党も「自民党とあまり違わないようにするのが選挙戦略の一環だったようにみえる」。それゆえに石破茂首相が政権を維持し「自民党に似通った野党案について折り合いをつけられる」余地があるといいます。それは自民党にとっては良いことですが、日本にとっては良くないことだと指摘しました。「古い問題に対する新しい解決策を期待する人は、おそらく失望するだろう」

日欧が安全保障・防衛協力

岩屋毅外相が1日、ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外交安全保障上級代表と都内で会談し、「日EU安全保障・防衛パートナーシップ」に合意しました。スイスの無料紙20min.がこれを報じましたが、言語によってわずかに報じ方が異なりました。

ドイツ語版では「増大する競争、戦争の脅威、そして気候変動に対する解毒剤はただ一つしかない。それは友人間のパートナーシップだ」と位置づけ、EUとインド太平洋地域の国との間で結ばれる初の協定だと紹介しました。

フランス語版は仏AFP通信の記事を転載。ボレル氏が「私たちは非常に危険な世界に住んでいる」と述べる一方、日本のように中国を名指しすることはなかったと伝えています。また日本は何十年も軍装備を米国に依存してきましたが、「EU加盟国のイタリアや英国と新型戦闘機の共同開発も進めている」と報じました。

伊藤詩織さん監督「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」

伊藤詩織さんが自身の性被害を暴露するドキュメンタリー映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」が10月上旬のチューリヒ国際映画祭の2部門で最優秀賞を受賞。10月末からスイスの映画館で公開されています。ドイツ語圏の大手紙NZZは映画での台詞などをもとに、伊藤さんが映画に込めた想いや日本の性犯罪をとりまく現状を綴りました。

「伊藤氏によれば、日本では性犯罪はほとんど報道されず、ましてや起訴されることなどない」。NZZは映画の台詞を借り、法律における「強姦」の定義が狭すぎること、日本社会に埋め込まれた恥の意識により、女性が通報しにくくなっていることを理由に挙げました。

被害を公表してもメディアから無視される、女性からも伊藤さんに批判的なメールが届く…記事は「日本では、伊藤氏は今も多くの人から嫌われているか、少なくとも懐疑的な目で見られている」とします。しかしながら「闘う人であり、国際的に評価の高い作家兼映画監督としての伊藤氏の評判は、日本でも確立している」と評しました。

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自民大敗、日欧安保、伊藤詩織さん…スイスのメディアが報じた日本のニュース

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2024/11/04

スイスの主要報道機関が先週(10月28日〜11月3日)伝えた日本関連のニュースから、①自民党大敗で日本は変わる?②日欧が安保・防衛協力③伊藤詩織さんの映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」、の3件を要約して紹介します。

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10月21~27日

総選挙で与党敗北

27日投開票の第50回衆議院議員選挙では、与党の自民・公明党が勝敗ラインとしていた過半数を割り込み、立憲民主党や国民民主党が躍進しました。スイスでは各言語圏で、裏金問題が自民大敗の根本にあるものの、党を率いた石破茂首相に大きな責任があるとの論調が目立ちました。

ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は28日朝、「日本国民は石破首相と自民党に罰を与えた」との見出しで解説記事を配信。裏金問題からの立て直しを図った衆院解散でしたが、「石破氏は有権者を置き去りにしてそろばんをはじいた」と指摘しました。ベテラン議員である石破氏は「状況をもっと正しく評価すべきだった」と手厳しく、「早急に具体的な成果を示せなければ、長く首相・自民党総裁を続けることはできないだろう」と見通しました。

ドイツ語圏の大手紙NZZは「この国は安定・安息の地であるように見えたが、それは終わった」と銘打ちました。地政学的な緊張が増すなか、米国のアジア戦略の支柱となった日本に、連立交渉による政治空白が生まれることへの危機感を示しました。また「自民党内の右派と穏健派の権力闘争が激化する恐れがある」と、石破氏続投の課題を提示しています。

フランス語圏の大手紙ル・タンは、「有権者に人気があるとみなされて総裁に選ばれた」石破氏が、戦後最短任期の首相になる可能性を報じました。28日には小泉進次郎氏が敗北の責任を取り選挙対策委員長を辞した一方、石破氏が政治とカネの問題について「抜本的改革」を約束して続投を表明したと伝えました。「しかし、自民党内で総裁職を争われる可能性がある」

過疎地からみる総選挙

石破首相が地方創生を前面に掲げていることもあって、総選挙前に地方で加速する過疎化にもスポットが当たりました。

ドイツ語圏のターゲス・アンツァイガーは和歌山県海南市郊外のルポ記事を掲載しました。人口減少に歯止めがかからない同市が属する和歌山2区は、政治資金問題で自民党を離党した世耕弘成元経済産業相と、同じ問題で不出馬を決めた二階俊博元自民党幹事長の三男・伸康氏の対決に。しかし同紙が取材した棕櫚たわしメーカー「高田耕造商店」の高田大輔さんは、裏金よりも「人口問題、高齢化、教育」の方が大事だと語りました。

大衆紙ブリック・フランス語版には、兵庫県丹波篠山市市野々集落を紹介する仏AFP通信の記事が転載されました。この集落唯一の子ども、加藤蔵之助君は、この集落で20年ぶりに生まれた赤ちゃんとして話題になりました。

取材に答えた88歳の女性は、かつては村の大半の家庭には子どもがいたと振り返ります。しかし「こんな辺鄙なところにいては結婚できないと心配」して村を出て、そのまま仕事を見つけて戻ってこなかったといいます。「私たちは今日、その代償を払っている」

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衆院選、地方創生…スイスのメディアが報じた日本のニュース

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2024/10/28

スイスの主要報道機関が先週(10月21日〜27日)伝えた日本関連のニュースから、①総選挙で与党敗北②過疎地からみる総選挙、の2件を要約して紹介します。

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2024年10月14~20日

樹木が失われゆく東京

超高層ビル麻布台ヒルズの開業、神宮外苑の再開発。東京では建設業界が常に新名所の開発を競い合っていますが、そのなかでどんどん緑が失われつつあります。南ドイツ新聞のトーマス・ハーン東京特派員のルポが、スイス・ドイツ語圏の大手紙ターゲス・アンツァイガーに掲載されました。

日本の都市計画法は住宅・商業・工業用地区を区別し、防災に関する義務なども定めています。「しかし、それを実際にどう実行するかは開発者の裁量に委ねられている。それが欧州との大きな違いだ」。ドイツ出身の都市学者、クリスティアン・ディマー早稲田大准教授はこう話し、欧州では政府が「都市にはもっと緑が必要だ」と判断し、法整備や計画変更が進むと解説しました。

「未来都市が数百万人を抱える森であるとするなら、東京は未来都市ではない」。記事はこう嘆くとともに、落葉・落枝による掃除や安全性の観点から樹木が邪魔者扱いされている、と伝えました。

日本のゲーム業界に何が起こったのか?

かつてはビデオゲームといえば日本だったが、今やほとんどのゲームは米国製。日本のゲーム業界に何が起こったのか?そんな疑問を解こうと、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は9月25~29日に開催された東京ゲームショウを取材しました。

今年の東京ゲームショウでは約1000社の出展者がゲームを発表し、27万5000人の来場者を呼びました。どちらも記録的な数字ですが、欧米の出展・来場者はわずか。記事は「欧米の日本ブームにもかかわらず、東京ゲームショウはケルンで開催されるゲームズコムに比べると国際的な存在感は驚くほど乏しい」と伝えています。

その理由として、SRFは「日本ゲーム市場のガラパゴス化」を挙げました。日本のゲーム人口は米国、中国に次ぐ世界第3位で、日本ゲーム会社は国内市場専用のゲームを制作できる環境にあります。その特徴として、アニメを多用し、リアリティーよりも想像力を重視し、ストーリー性が強い点を列挙しています。

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2024年10月7~13日

日本被団協にノーベル平和賞

ノルウェーのノーベル賞委員会が11日、2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表しました。スイス各紙はさまざまにその意義を評価しました。

ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は解説記事で、ノーベル賞委員会のヨルゲン・ヴァトネ・フリドネス委員長がスピーチで繰り返したキーワード「核のタブー」に注目。「ノーベル賞委員会は核兵器の脱タブー化を止めることはできない。今年のノーベル平和賞を通じて、脱タブー化を少なくとも公然と非難しようとしている」とまとめました。

ドイツ語圏の大手紙NZZは北朝鮮の脅威を受けて韓国でも核武装について公然と議論されおり、実現すれば「日本は次の核保有国候補とみなされることになる」と伝えました。しかし日本は核軍縮を進める立場を崩さず、被団協は「日本の立場を伝える重要な大使だ」と位置付けました。

ドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーは、被団協の受賞は「個々の政治家が人類最恐の兵器に対してあまりにも無思慮なこの時代において、強力なサインとなる」と評しました。代表委員の田中煕巳さんは92歳という高齢ながら、若者に原爆の惨状を伝えるため横浜からケープタウンまでのピースボートへの乗船依頼を快諾したというエピソードも紹介しました。

同紙は他のヒバクシャも高齢化していることに言及し、ノーベル平和賞の授与は「少し遅すぎる。しかし何もしないよりはマシだ」と指摘しました。

フランス語圏の大手紙ル・タンは、絶望的な戦争が世界各地で起こる2024年はノーベル平和賞を「該当者なし」にすることも可能だったと指摘しました。そして同賞をもってしても「広島・長崎の日本人生存者が十分に尊重されることは決してない」とし、「彼らの苦しみ、証言の力強さ、あらゆる大量破壊兵器を放棄するための戦いは、絶対的な尊敬に値する」と強調しました。

東京メトロが株式上場へ

今月23日、東京地下鉄(東京メトロ)が東京証券取引所のプライム市場に上場します。NZZは「全ての人が勝者になることを示す兆候が数多くある」と紹介しています。

【その1】「東京メトロは公共部門の至宝の1つ」。同社の昨年の売上高は3900億円、営業利益は760億円で、これは利益率19.5%に相当。「それだけでも新規株式公開(IPO)を成功させるための十分な基盤となる」

【その2】日本の鉄道民営化の長い歴史。1987年の国鉄民営化以来、JR各社は利益を上げるだけでなく定時運行を守り、東京・名古屋・大阪を結ぶリニア建設など大規模投資に着手。

【その3】「東京圏」は人口3800万人を抱える世界最大都市で、通勤・通学者のほとんどは私鉄を利用している。ただし東京メトロもJR東日本などとの競争に対抗できるかどうかを証明する必要がある。そのため「新しいライフスタイルを促進するための新ルート建設、周遊機会の創出、不動産プロジェクトに取り組んでいる」

【その4】従業員にもメリット。株式の2%は同社従業員のために確保されている。(出典:NZZ外部リンク/ドイツ語)

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2024年9月30日〜10月6日

石破政権、早くも二重の試練に直面か 

ドイツ語圏大手紙NZZは30日、衆院解散・総選挙の方針表明に踏み切った自民党の石破茂新総裁に関し、東京特派員マルティン・ケリング記者の記事を配信しました。 

ケリング記者はまず、石破氏の経済政策への警戒感から株価が1900円超下落した前日の「石破ショック」に触れ、「これほどの下落で迎えられた新政権のトップはいない」と伝えました。政権発足直後は世論も好意的に見る傾向があることから、選挙は早い方が有利となる可能性があるとの見方を示す一方、自民党が繰り返してきた「政治とカネ」の問題を鑑みると、今回も同様になるかどうかは懐疑的だとしています。 

また、石破氏は党総裁選で富裕層や一部企業の金融所得課税の強化だけでなく、最低賃金の全国平均1500円引き上げ目標を2030年代半ばから20年代に前倒しするなどと主張していたにもかかわらず、当選後に穏健な態度をとっていると指摘。石破氏は早くも、有権者の信頼と金融市場の信頼を取り戻さなければならないという二重の試練に直面していると結びました。

宮崎空港で不発弾爆発 

宮崎空港(宮崎市)で2日、滑走路と駐機場をつなぐ誘導路に埋まっていた不発弾が爆発し、滑走路が閉鎖された事故は、スイス全土で広く報じられました。 

各紙は、同空港はかつて神風特攻隊が出撃した旧日本海軍の航空基地で、爆発したのは第2次世界大戦時に米軍が投下した不発弾であったことを伝えました。 

フランス語圏ではAFP通信の記事が日刊紙ル・マタンや無料紙20min.などに掲載され、宮崎空港や周辺では2009年と2011年にも米国製不発弾が見つかっており、不発弾は現在も日本各地で発見されていることを報じました。昨年度に全国で処理された不発弾は2348個(約37.5トン)だとするロイターの報道にも言及しています。 

日本のコメ不足の原因は? 

夏から続いていた日本のコメ不足。スーパーにようやくコメが並びはじめていますが、価格は1年前より2割ほど高いままです。ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は東京特派員のマーティン・フリッツ記者をラジオ番組に招き、日本におけるコメ不足の原因について話し合いました。 

番組では、コメ不足の主な原因として、政府の生産調整と気候変動による不作を挙げました。ただ、原因はそれだけではありません。フリッツ氏は「地震を不安視した国民の一部によるコメの買い占めや、外国人観光客による寿司の消費」もコメ不足の一因だと指摘しました。 

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