新型コロナウイルスの感染状況は全国的に減少傾向だが、唯一緊急事態宣言が出ている沖縄県。
離島の石垣島へ派遣された医師が6月20日、岩手県内へ戻り、「医療体制のひっ迫状況は震災の時に近い」と最前線の様子を語った。

沖縄に派遣されていた 坂本和太医師(県立中央病院)
「石垣島は人口5万人の島で、30~40人入院している状況。その中にある程度の割合で重症の人がいて、いつ容体が急変するか分からないという緊迫した事態がずっと続いている感じ」

20日の夕方、花巻空港へ到着した飛行機から降りてきたのは、県立中央病院に勤務する坂本和太医師。

坂本医師は6月7日からき20日までの2週間、沖縄・石垣島で新型コロナウイルス患者の診察にあたった。
人口145万人、岩手の1.2倍の沖縄だが、5月29日は1日に過去最多の335人の感染を確認。
ここ数日は新規患者は100人未満となっているが、医療体制ひっ迫の深刻な状況は続いているという。

沖縄に派遣されていた 坂本和太医師(県立中央病院)
「重症患者と中等症の患者の入院期間がかなり長くなっている。病床の圧迫、医療資源の枯渇、医療従事者の疲弊が大きな問題だと思う」

坂本医師は特に最前線で治療にあたる医療従事者の疲弊ぶりは、東日本大震災の時と重なると語る。

沖縄に派遣されていた 坂本和太医師(県立中央病院)
「みなさんが少しずつすり減ってきている。ストレスが溜まってきている。東日本大震災の時の沿岸の病院もきっとそうだった。僕自身も県立宮古病院にいたので。
その時に近いのではないか」

そのうえで、沖縄の状況は決して他人事ではないと、医師として一人一人の意識と感染対策の取り組みを求めた。

沖縄に派遣されていた 坂本和太医師(県立中央病院)
「幸い岩手は沖縄のような感染の爆発は起きていないが、いつ岩手で起こらないとも限らないので、それぞれ自粛や飲食店は大変だと思うが、営業の短縮などの努力、あとは日常の手洗い、うがいを一人一人が引き続き心がけてもらうことが重要だと考えている」

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