■ マリアとフクシマ

語り:関 純子

ディレクター:宮田輝美
撮影:登島努
編集:赤井修二
プロデューサー:萩原守
MA:中嶋泰成
効果:萩原隆之
題字:櫻井洸太

カンテレ「ザ・ドキュメント」2018年3月24日放送

■受賞

日本民間放送連盟賞 特別表彰部門 青少年向け番組 優秀賞
坂田記念ジャーナリズム賞 第2部門特別賞

<ザ・ドキュメント公式ページ>

180324

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32年前に起こったチェルノブイリ原発事故から5カ月後に、旧ソ連(現・ウクライナ)のキエフで生まれたアーティスト・マリア。大人になって初めて、自分が甲状腺機能亢進症であることを知った。甲状腺を取り除いた後も将来に不安を感じ続ける。そんなマリアを支えたのは、絵を描くこと、そして日本への憧れだった。

2年前、自分を撮影したフォトジャーナリスト・小原一真さんとのトークイベントで来日の夢をかなえた。しかし福島県で目にしたのは、墓地を望む広大な汚染土。マリアは福島で初めて自分の生い立ちについて人前で語り、“自己との対話”だったという絵を見せた。

マリアはそのイベントで、南相馬市を拠点に活動する絵本作家の小原風子さんと出会う。“絵は自分との対話”と言ったマリアに、自分を重ねた風子さん。やがて二人は「一緒に絵を描きたい」と思うようになる。

福島第一原発事故の後、避難者も含めた全県民の子どもたちを対象に、甲状腺検査を続けていた福島県。先祖から受け継いだ土地を手放すことができず、不安を感じながらも福島の野菜を食べ続け、福島に住み続ける男性。一方、京都府に避難し、福島県産の野菜を避ける生活を送る人たち。それぞれ複雑な気持ちを抱えて過ごしている。

福島の人たちとの出会いを通して、“自国では絶対に自分の生い立ちは語らない”と言っていたマリアの心に変化が―。 「見えない痛みを抱える人に、光を当てたいー」  帰国後、マリアは新たな作品に取りかかる。自分と同じ痛みに苦しむ人たちに、光を当てるために。

#福島第一原発 #東日本大震災

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