出演/
ダコタ・ジョンソン
ドン・ジョンソンとメラニー・グリフィスの娘
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ でセンセーショナルな役を演じて有名に
シドニー・スウィーニー
セレステ・オコナー
イザベラ・メルセード
タハール・ラヒム
マーベル作品としては 本格的なミステリーサスペンス映画としての PR作戦だったが実際に見た場合は サスペンス性も ミステリー性も本格的かと言われると「スタンダード」というところが本音
映画そのものは「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」
要はスパイダーマンユニバースの1本
「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」としては
クレイヴン・ザ・ハンター
ヴェノム3
エル・ムエルト
が今後予定されているが、エル・ムエルトあたりは今作と絡みがありそうで楽しみではあるが
無期延期の発表があるなど不安もある作品
原作のアメコミにおけるマダムウェブはスパイダーマンとの協力関係や未来へと導く役。
X-MENでいうとプロフェッサーXのような立ち位置だが、今作ではその若かりし頃。
スーパーパワーに目覚める過程をえがいている。
要はマダムウェブというキャラクターを描く上でのプロローグ的なポジションの作品になっているので、それを理解してみれば一定の面白さは確保できていると言えるだろう
ヴィラン役のタハール・ラヒムもヴィランらしい立ち振舞いからヴィラン感がしっかりと出ている
が、パッと見がスパイダーマンを思わせる見た目になっているので、事前情報がなければ混乱する人もいるかも知れない。
また、ヴィランポジションに至る過程や社会的ポジションが明確にわかりやすく描かれていないため、冒頭の主人公の母親の研究成果を盗み出し 逃走するシーンくらいしかないため、あのシーンからタキシードを着込んだ彼がリンクしない人もいるかも知れない。
ゆえに彼の設定や 生い立ち 社会的な地位における権力の強さや 社会的な地位による強さというものを知った上で あのポジション なんだという理詰めの設定を楽しみたい人にとっては 切り取り進行に見える可能性は十分にあるだろう
また 主人公の能力も「少し先の未来が見える」というものが本格的に覚醒をして自分の中で確信に変わるという部分が若干 分かりにくい展開になっており、主人公の物語が進みだし そして一気に映画冒頭の南米のへ行き あっという間に帰ってきているという一足飛び的なシナリオ展開はご都合主義的にとらえられても仕方ないのかもしれない。
また次世代ヒーローともいえるスパイダーウーマンの3人も端的にコスチューム姿で登場するので、そのあたりも「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」として楽しめるところだろう
とはいえ マダム・ウェブ というキャラクターの誕生を描くには 良くも悪くも スタンダードな展開で最終的に能力の目覚めるという部分に関しては 待たせて待たせて、クライマックスで「さあ、ここで!!!」能力は開花するシーンについてはとてもヒーロー映画らしいものになっているともいえる。
ここからは若干のネタバレ
一方で 能力そのものが「未来予測で未来を観ることができる」はわかっても、仲間を救うシーンがいまいち分かりにくいまま エンディングとなってしまうところもあり 彼女の隠されていた真の力については、MCU、特に「ドクター・ストレンジ シリーズ」を観ておかないとリンクしない部分があるかもしれない。
あれは「ドクター・ストレンジ」ででてきた、アストラルボディの演出であるが、MCUのアストラルボディが物理的な接触ができないのに対して、マダム・ウェブのアストラルボディは物理的に触れることができる…ということは、かなりの能力だといえる。
またアストラルボディは時空を超えることができるので、別次元のマルチバースを超える力もあるとも言えるかもしれない
あと作品的には「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」ではあるが、スパイダーマンとの絡みを思わせるのは「クイーンズ」という地名はでてくるが今作ではスパイダーマンは全く出てこない。
時代的スパイダーマンよりも少し前の時代である。
映画の中ではラスト前に2003年にピーター・パーカーが生まれるシーンがちらりと見えたが、MCU、トム・ホランド演じたピーター・パーカーの生まれは2001年。
となると、マダム・ウェブの時間軸はMCUとは別のバースということになるのかもしれない
また蜘蛛の力に関してはなんとも言えないが、マダムウェブがマルチバースを超越してMCUピーター・パーカーに蜘蛛が噛まれるように行った…という可能性も捨てきれないかもしれない
マーベルとソニーピクチャーズ コロンビアとの契約の関係上 5年8ヶ月毎にスパイダーマンに関するキャラクター映画を作るという契約条項があるため 様々な形でスパイダーマンのキャラクター展開をしていかなければならない。
それ故に 前回出してきた「モービウス」なり「「スパイダーマン スパイダーバース」なりが誕生したのを考えると、嬉しい反面量産によるコンテンツの魅力の低下が心配されるところだ
とはいえ マダム・ウェブ という一つのキャラクターの魅力の可能性。ポテンシャルは十分に感じられるものであり うまく 他のキャラクターやヒーローと絡ませる面白さには期待したいところ。
ミステリー&サスペンスを前面に押し出してのPRは若干クエスチョンマークはついてしまうが トータルで見た時には楽しめる映画にはなっているので 新たな 女性ヒーローの誕生という一つの転換期を是非 大きなスクリーンで見てもらいたい。
ただ、ラストのマダムウェブのコスチューム。
特に顔を覆うゴーグルのデザインはもう少しなんとかならんかったのか?と思うところでもある
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