鹿児島市は桜島の大規模噴火に備えて防災対策を研究し、犠牲者ゼロを目指すことなどを目的とする、独自の桜島火山防災研究所を、2025年度に設置することを明らかにしました。市町村が独自で火山研究所を設けるのは初めてです。

鹿児島市の下鶴隆央市長は30日の定例会見で、2025年度に、鹿児島市役所の本庁舎内に桜島火山防災研究所を設置すると発表しました。

鹿児島市・下鶴隆央市長
「2022年7月に噴石が飛散して、初の警戒レベル5に引き上げられたこと、桜島のマグマだまりへのマグマの蓄積が大正噴火時と同等に戻りつつあるということから、大正噴火級の大規模噴火に対する警戒を要する時期にきている」

このような現状を踏まえ、桜島の特性を踏まえた独自の防災対策の研究や防災教育を行い、大規模噴火発生時には専門家の助言のもと、適切な避難指示を出し、犠牲者ゼロを目指すことを目的としています。

市町村独自で、火山研究所を設置するのは全国で初めてです。

これまでに行った市の設置検討委員会では、独自の桜島火山防災研究所は、専門家を含め6人程度で構成され、将来的には2026年に開校予定の小中一貫の義務教育学校「桜島学校」に設置することが望ましいとの意見があるとしています。

2024年度は準備期間として、最終的な設置場所や専門家の起用など具体的な検討を進めます。

鹿児島市・下鶴隆央市長
「市民の生命をしっかり守る責務を持つ基礎自治体として、市民に適切な避難行動をとってもらう。そのためには普段から備えをしっかり行い、防災意識の高揚を図っていく。こういった観点から市独自の火山防災研究所設置の必要がある」

研究所はあくまで防災や避難行動を研究するための機関ということで、桜島の観測については、京都大学の防災研究所からデータの提供を受けるなどして連携を図るということです。

WACOCA JAPAN: People, Life, Style.