2019年9月に関東地方に上陸した令和元年台風第15号では,強風と豪雨により東京電力管内の2本の鉄塔と1,996本の電柱の破損・倒壊などの被害が発生し,千葉県など1都の合計で約93万軒の停電が発生した.復旧が困難だった一部の地域を除いても,停電の復旧には約2週間を要したため,電気通信や水道などの他のライフラインに加えて社会・経済活動に大きな影響が発生した.本報告では,東京電力配電網の電柱被害データ,東京電力パワーグリッドの停電履歴の公開データに加え,災害時情報集約支援チームISUTによる倒木データ,風況再現解析結果を用いて配電設備(電柱)の被害と長時間停電の発生状況に関する定量的な分析を行った.
倒木の発生がない市町の電柱の被害率はほぼ0.1%以下,倒木の発生した市町の被害率はでは風速によって0.8%に依存して増加し、平均風速の市町別平均値が15m/s付近から増加,瞬間風速では市町別平均値が30m/s以上で増加が確認された.また、倒木が無かった市町の最長停電時間は約18日、倒木本数の増加にともなって停電時間も長期化し、100本以上の市町では最長停電時間は約29日となり、倒木による電柱被害の増加、道路通行支障などによって停電が長期化したことを定量的に示した.
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