東京・代官山エリアの新複合施設「フォレストゲート代官山(Forestgate Daikanyama)」が12日、プレス向け内覧会を実施した。同施設は、東急グループが展開する『Greater SHIBUYA 2.0戦略』の一つとして21年5月に着工。今月19日にオープンする。

 代官山駅からほど近く、八幡通りと代官山通に面した好立地に構えるフォレストゲート代官山は、「メイン(MAIN)棟」と「テノハ(TENOHA)棟」の2棟。「職」「住」「遊」をつなぐライフスタイルを提案する新たな“ゲート”となる。

 建築家・隈研吾氏による様々な形状の木箱が積み重なるような建築デザインも特徴とし、屋外のみならず屋内にまで豊かな緑を取り入れる。この緑を取り入れた空間は、造園家でグリーンディレクターの齊藤太一氏がディレクションする。

 内覧会中のプレゼンテーションには、隈氏と齊藤氏、フードディレクターの平野紗季子氏も登壇。3人は「こころ」「緑」「食」をキーワードに、同施設のライフスタイルコンセプト住戸のプロデュースにも携わっており、それぞれの言葉でこだわりを伝えた。

■食とサステナビリティ ライフスタイルに近接する様々な取り組みの新拠点

 メイン棟は全57戸の賃貸住宅、地下1階〜2階の商業空間、3階の会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート代官山」で構成。地下1階にはスーパーマーケット「ザ・ガーデン自由が丘」がオープンし、商業階にはBLUE BOTTLE COFFEやJO MALONE LONDONの旗艦店なども出店する。

 同施設では「職」「住」「遊」のすべてに関わるものとして「食」を挙げ、プロダクションと代理店を組み合わせたビジネス形態も打ち出した。イートクリエーターとタッグを組み、新会社「日本食品総合研究所」を設立し、新しい拠点をメイン棟2階の「ソーシャルキッチン代官山」に置くとした。

 これにより、3階のコワーキングスペースで生まれた「日本食品総合研究所」による食品企画などを、2階のテストキッチンやODMファクトリーで開発・製造し、1階のカフェやバー、グロッサリーで提供するという“循環型”のプロセスエコノミーを実現。東急不動産・黒川泰宏氏は「食開発の企画、開発、テストマーケティングを一貫して行える拠点。高回転のPDCAを実現する」とアピールした。

 また、同研究所は江藤英樹シェフが手がけるパティスリー「PAYSAGE」とコラボし、商品を共同開発、販売。同店では、温室効果ガスが少ない穀物の活用や、フェアトレード商品を積極的に採用するといったアイデアが盛り込まれた「サステナブルスイーツ」を展開していく。

■サーキュラーエコノミープロジェクト「CIRTY」始動 循環型社会の実現、代官山の価値向上目指す

 テノハ棟はカフェとイベントスペースで構成された、地域と都市をつなぐサステナブル活動拠点。サーキュラーエコノミー活動を行う事業者や行政と連携し、消費者に向けて様々な取り組みへの接点を提供していく。

 循環型社会の実現に向け、東急不動産・小澤広倫氏は「消費者の方々をいかに巻き込んでいけるかが重要」とし、「デザイン力やアイデア力といった広域渋谷圏の強みを発揮しながら、“形や品を変える循環”を目指す」とビジョンを提示。

 メイン棟でも「食」がテーマの一つとされたが、テノハ棟においても「食品小売業、外食産業の低い食品リサイクル率にアプローチする」ことを主旨に挙げ、同施設から出た食品廃棄物をJバイオフードリサイクル横浜工場に送り、バイオマス発電での電力還元や残渣(ざんさ)肥料を活用した農作物栽培などを行うという。

 また、サステナブルデザインカンパニーであるRGB INCとタッグを組んだプロジェクト「CIRTY」を始動させ、テノハ棟を活動拠点とすることなどが発表。企業やブランド、自治体、教育機関と代官山発の都市型グリーン社会の波及促進をはかり、消費者の意識向上、代官山周辺エリアの付加価値向上を目指す。

 そうした取り組みの一つとして、「店産店消」をコンセプトとしたサーキュラーカフェ「CIRTY CAFE」を展開。このほか、コミュニティーイベントやワークショップなどを実施していく。

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