JR東労組横浜地本の資料↓
http://www.jreu-yokohama1.jp/library/5b8fc5fcb8e028f93a2e85f2/647f1b70e5bfaf6b239e139a.pdf

5月23日に発生した、東海道線が異線進入(貨物線への誤進入)し、藤沢出発後武蔵小杉までノンストップで走ることとなったトラブルについて、JR東労組横浜地本が詳細な資料を掲載しました。
 それによると、直前を走っていた臨時貨物列車が通過した際、不正扛上・短絡不良、つまり、列車がいるかどうかの検知が正しくできない状態が発生したため、当該列車に対し正しい信号現示が出されなかったことが明らかとなりました。

 こういった、本来の進路と異なる進路の信号が現示された場合、運転士は信号の手前に停車し、指令に確認を取らなければいけません。
 しかし信号の構造上、運転士はこの信号現示を事前に確認することができず(予告器が消灯していたため)、直前まで信号が正しいか確認することができない条件となっていました。また、当該経路は通常ほとんど使用されない進路・信号であったこと、本来の信号・進路と制限速度がほぼ同じで機械的制限がかからなかったことなどが重なり、運転士は実際に貨物線へ誤進入するまで気づくことができませんでした。

 各種報道では、「運転士に責任」といった論調で報道していますが、信号は運転士が直接選択操作しているわけではありません。正しい信号が出されていれば運転士も間違えることは無かったことでしょう。

 また、事前にこのような臨時列車を走らせた場合に、信号がトラブルを起こす可能性を把握していたにも関わらず、対策措置を取らず、誤った信号を現示して列車を誤進入させてしまったことは、信号を操作する指令掛のミスだと言わざるを得ないでしょう。
 今年に入ってから自社では川越線、他社でもJR西日本で同様のトラブルがありましたが、それを踏まえた対策が会社として実施されていたようにも思えません。

 また、労組資料によれば当該運転士は「会社の方針」により運転職場を4年間離れ、当日は一人乗務2日目(おそらく時間的に明けなので、実質復帰後初一人乗務)だったことも考えると、「会社の方針」は事故を誘発しているのではないかという疑念さえ感じさせられます。

 さらには、トラブルのあった経路は湘南10号が2022~2023年のダイヤで使用していた経路であり、今年3月から使用しなくなっていた線路でした。もしも元のダイヤであれば、平日には湘南10号が錆取り列車として機能していたでしょうから、工事臨時列車の不正扛上・短絡不良はおこらなかったのかもしれません。これもまた、「会社の決定」が裏目に出た結果だと言えるのかもしれません。

どんこめニュース413回

2 Comments

  1. 最初、貨物列車が旅客線を走っていますよね。
    そして、貨物列車を貨物線に入れようとしたら、後続の旅客列車も貨物線に入ってしまったと。

    そもそもなんですが、貨物列車を旅客線に入れることは、普通にあることなんですかね?
    貨物列車を旅客線に入れる運用をしていたことが、根本的な原因な気がするのですが。

Exit mobile version