俳優の寺島しのぶ(50)が『第77回毎日映画コンクール』の田中絹代賞に選出され14日、都内で行われた授賞式に出席した。

 田中絹代賞は、映画史に残る田中絹代さんの名前を関した賞。寺島は「このような伝統と格式のある映画人が選ぶ本物の授賞式だと思っております。そこで、今回、田中絹代賞という栄誉ある賞をいただきました。歴代の女優さんたちを拝見しても身が引き締まる思いです。また寺島しのぶのハードルを上げてくださったなと思って、選考の皆様には、とても感謝しております」と笑顔でスピーチした。

 母の富司純子(77)も第54回で同賞している、母娘での受賞は史上初。MCの生島ヒロシから「お母様の存在が大きくて、しのぶさんが同じ仕事につくにはハードルが」と問いかけると、寺島は「もちろんそうです。京都に行けば最たるもので」と笑う。それでも「母とこうして田中絹代賞を母と娘で取らせていただいた、ということは2人で喜び合いましたし、非常に光栄なこと」としみじみ。「『お母さんの時はたまたま私だけだったらから取れたのよ』みたいなことを言ってましたけど、そんなことはないはずなんですけど。でも、私の受賞はとっても喜んでくれました」と母娘のやり取りを明かしていた

 寺島と名コンビとして知られる廣木隆一監督が、花束プレゼンターとしてサプライズ登場。昨年公開し、剃髪した寺島が瀬戸内寂聴さんを演じたことでも話題となった『あちらにいる鬼』についてもトーク。寺島が「監督のために(剃髪した)」と明かすと、廣木監督は「最初は嫌がってたでしょ(笑)。(剃髪)したら、すごく気に入って、赤く染めたりもしていた」と笑顔で裏話を話していた。

 同賞の対象は、2022年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)。

■「第77回毎日映画コンクール」受賞結果

日本映画大賞:『ケイコ 目を澄まして』(三宅唱監督)
日本映画優秀賞:『夜明けまでバス停で』(高橋伴明監督)

外国映画ベストワン賞:『ベルファスト』(ケネス・ブラナー監督)

男優主演賞:沢田研二『土を喰らう十二ヵ月』
女優主演賞:岸井ゆきの『ケイコ 目を澄まして』
男優助演賞:窪田正孝『ある男』
女優助演賞:伊東蒼『さがす』
スポニチグランプリ新人賞(男性):番家一路『サバカン SABAKAN』
スポニチグランプリ新人賞(女性):嵐莉菜『マイスモールランド』

監督賞:三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』
脚本賞:早川千絵『PLAN75』
撮影賞:月永雄太『ケイコ 目を澄ませて』
美術賞:今村力、新田隆之『死刑にいたる病』
音楽賞:青葉市子『こちらあみ子』
録音賞:川井崇満『ケイコ 目を澄ませて』

アニメーション映画賞:『高野交差点』(伊藤瑞希監督)
大藤信郎賞:『犬王』(湯浅政明監督)

ドキュメンタリー映画賞:『スープとイデオロギー』(ヤン ヨンヒ監督)

TSUTAYA映画ファン賞・日本映画部門:『チェリまほ THE MOVIE ~30 歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』(風間太樹監督)
TSUTAYA映画ファン賞・外国映画部門:『トップガン マーヴェリック』(ジョセフ・コシンスキー監督)

田中絹代賞:寺島しのぶ

特別賞:中島貞夫(映画監督)

WACOCA JAPAN: People, Life, Style.