韓国・ソウルで日本人女性2人を含む158人が犠牲となった雑踏事故から、11月29日で1か月です。亡くなった北海道根室市出身の冨川芽生さんの遺族や友人が、現在の心境を語りました。

 亡くなった芽生さんの父親 冨川 歩さん:「まだ亡くなったとは信じられない、信じたくないです。あっという間の1か月です。生活はすっかり変わってしまいました。朝から晩まで娘のこと考えています」

 声を絞り出すように語る、亡くなった冨川芽生さんの父親・歩さん。

 10月29日、韓国・ソウルの繁華街「梨泰院」で起きた雑踏事故。日本人女性2人を含む158人が死亡しました。

 6月から留学していた冨川芽生さんも犠牲となりました。父親の歩さんら家族はソウルに駆け付け、無言の芽生さんと対面しました。

 亡くなった芽生さんの父親 冨川 歩さん:「できることなら、自分が代わってあげたい。娘の夢は僕の夢でしたから。すごく頑張っている娘でした」

 「韓国に関わる仕事がしたい」と留学していた芽生さん。歩さんに現地での様子を頻繁に伝えていました。

 亡くなった芽生さんの父親 冨川 歩さん:「本当に楽しいことがいっぱいあったと思う。友達との写真など、知らせたかったんだと思う。『あっち行ったよ、こっち行ったよ』と楽しいクラスメイトの写真とかね。もっとやりたいことがあったから、ずっと応援はしていたんですけど」

 芽生さんの友人は、いまだに突然の別れを信じられない思いでいます。

 亡くなった芽生さんの友人:「事故だと諦めがつかないんですよ。あと1日ずれていたら、1時間ずれていたらと考えてしまうんです。一緒に切磋琢磨して、友人のような、姉のような存在でした。本当に不思議なくらい、人の優しい気持ちを引き出す不思議な雰囲気のある子でした」

 事故から1か月がたった今も歩さんのもとには芽生さんの友人から連絡があり、心の支えになっているといいます。

 亡くなった芽生さんの父親 冨川 歩さん:「『仲良くしていました』とか、『連絡先を教えてください』というのが多いですね。本当に向こうでもみんなに愛されていたんだなと思います。一緒に梨泰院に行っていた友人は『非常に残念』、『ずっと何時間も探して、電話もしたけど出なかった』と。つらくて話せなかった」

 11月22日、遺族らがソウルで初めて会見し、大統領による謝罪などを求めました。夢半ばで道を閉ざされた芽生さん。友人は二度と同じような悲劇が繰り返されないことを願っています。

 亡くなった芽生さんの友人:「芽生ちゃんの事故でハロウィンの怖さではなく、事故がどうして危険なのか、どういう状況で起きるのか深く考えた方がいい」

 歩さんも思いは同じです。

 亡くなった芽生さんの父親 冨川 歩さん:「150人以上も亡くなっている大事故ですから、犠牲になった人が無駄にならないように、安全な韓国と日本にしてもらいたいと思います」

2 Comments

  1. 数日前、記事を読むときに行動力がすごいと思いました。 私も日本が好きなだけに、故人が生前に夢を叶えるために努力する姿を学ばなければならないと決心しました。

  2. もう、本当に悲しかったし、涙が止まりません😭本当に、やりきれません!自分の事のように辛かったです😭