前田、大島、篠田、渡辺、高橋、小嶋、板野の今
第3回インターペットアワード授賞式に出席した前田敦子さん
こんな形で彼女の名前をまた頻繁にメディアで見るようになることは、当時のファンたちからすれば複雑な心境だったのではないでしょうか。
AKB48初期の大エースとして当時の人気を支えていた前田敦子さんが、4月23日、俳優・勝地涼さんと離婚したことを発表。様々なメディアで「前田敦子」の名前が躍りました。
前田さんはAKB48卒業後、女優として活躍されていますが、ドラマや映画のメジャー作品の主演やヒロインからは遠ざかっているため、このように彼女の名前を頻繁に目にするのは久しぶりの印象です。
そこで思い出されるのが、AKB48初期に前田さんとともにグループの人気を支えていた初代・神7(カミセブン)の7人。
初代・神7とは2009年、2010年のAKB48選抜総選挙で上位7位までにランクインしたメンバーのことで、前田敦子さん、大島優子さん、篠田麻里子さん、渡辺麻友さん、高橋みなみさん、小嶋陽菜さん、板野友美さんが該当します。
そんな初代・神7も、人気絶頂だった10年ほど前に比べると、彼女たちの名前を見聞きする機会は減ってしまった印象があります。そこで今回は恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者が、初代・神7のグループ卒業後の足跡を振り返っていきたいと思います。
“あっちゃん”は結婚・出産・離婚を経て、個性派女優へ
前田敦子(29歳/AKB48卒業:2012年8月)
2009年の第1回・AKB選抜総選挙で1位だった前田さん。
プライベートでは先月離婚した勝地さんと2018年7月に結婚し、2019年3月に第一子を出産したことでも話題となっていました。
グループ在籍時代にはドラマ『Q10』(2010年/日本テレビ系)のヒロインや、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(2011年/フジテレビ系)の主演などに抜擢されていました。卒業後もドラマ『ど根性ガエル』(2015年/日本テレビ系)や、ドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』(2016年/TBS系)といった話題作のヒロインや主役を演じていました。
最近では竹野内豊さん主演で放送中のドラマ『イチケイのカラス』(フジテレビ系)の第2話にゲスト出演していますが、メインどころでの出演は激減。女優業としては往時に比べると停滞しているように思えます。
しかし『イチケイのカラス』では、幼児虐待で有罪判決を受けた料理研究家というクセの強い役を見事に演じきっていました。結婚、出産、離婚といった人生の大きな経験を糧にしていけば、いい意味でのアクがあり深みも出る個性派女優として、需要は途切れないのではないでしょうか。
あっちゃんのライバルは、メジャー作品の名バイプレイヤーに
大島優子(32歳/AKB48卒業:2014年6月)
第1回・AKB選抜総選挙で2位だった大島さん。
前田さん同様、卒業後は女優業メインにシフトした大島さんは、映画『紙の月』(2014年)では三番手キャストとして日本アカデミー賞優秀助演女優賞の受賞や、ドラマ『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』(2015年/TBS系)主演などで実績を積んでいました。
昨年はドラマ『七人の秘書』(テレビ朝日系)、今年はドラマ『神様のカルテ』(テレビ東京系)といった話題作にレギュラー出演。現在放送中のドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)でも、主要キャストとは言えないまでも主人公たちの仲間の医師役で出演中です。
主演やヒロインに抜擢されることは減っているものの、メジャー作品の名バイプレイヤーとして活路を見出したのは英断だったのではないでしょうか。
また、2017年8月から1年2ヶ月、アメリカに語学留学していましたので、海外作品出演も視野に入れているはず。初代・神7のなかでグローバルな活躍ができる可能性を一番秘めているのは彼女かもしれないですね。
長身スレンダー“まりこ様”は、ファッション業界を離れ女優に転身?
篠田麻里子(35歳/AKB48卒業:2013年7月)
第1回・AKB選抜総選挙で3位だった篠田さん。
プライベートでは2019年2月に一般男性と結婚し、2020年4月に第一子出産を発表しています。
長身スレンダー体型でファッションモデルとしても活躍していた篠田さんは、グループ在籍中の2012年12月、デザイナー兼プロデューサーとしてアパレルブランド「ricori(リコリ)」を立ち上げます。自身のブランドをオープンさせたことは、卒業後はファッションアイコンとしての仕事を主軸にしていく布石かと思われていました。
しかし、ルミネエスト新宿(東京)や心斎橋オーパ(大阪)といったファッションビルに出店していた「ricori」は、なんと2014年7月に全店舗閉店。立ち上げからわずか1年半強でブランド終了となる憂き目に……。
近年はアパレル関係の仕事からはやや遠ざかっている印象ですが、昨年は映画『カイジ ファイナルゲーム』に出演。2021年9、10月上演予定の舞台『醉いどれ天使』の出演も発表されており、育児に奮闘しながらも女優業は継続していくようです。
完璧なアイドルサイボーグ“まゆゆ”は芸能界を引退
渡辺麻友(27歳/AKB48卒業:2017年12月)
第1回・AKB選抜総選挙で4位だった渡辺さん。
グループ在籍中には『戦う!書店ガール』(2015年/フジテレビ系)や、『サヨナラ、えなりくん』(2017年/テレビ朝日系)で連続ドラマに主演しましたが、両作とも視聴率は大苦戦。
グループ卒業後には広瀬すずさん主演の朝ドラ『なつぞら』(2019年/NHK)に出演していました。……が、『なつぞら』が女優業としてはラストに。
渡辺さんは1年前の2020年5月いっぱいで、健康上の理由で芸能界を引退。それ以後、メディアには登場せず、SNSなどもやっていないため、今は完全に一般人となっているのでしょう。
グループ在籍時には、アイドルとして完璧にこだわるプロ意識の高さから、「アイドルサイボーグ」の異名を誇っていた渡辺さん。アイドルの本来の意味である“偶像”を壊さぬまま完全引退したのは、彼女の矜持の現れのように感じますね。
初代総監督“たかみな”は、トーク力を生かしコメンテーターに
高橋みなみ(30歳/AKB48卒業:2016年3月)
第1回・AKB選抜総選挙で5位だった高橋さん。
プライベートでは2019年5月に15歳年上の一般男性と結婚しました。
グループ在籍時にソロデビューシングルをリリースしていた高橋さんは、卒業後の2016年10月にアルバムを発売し、2017年9月にセカンドシングルを発売。ソロシンガー路線で進むかと思いきや、CD売り上げやライブ動員数が芳しくなかったようで、それ以後の音楽作品のリリースはナシ。
現在は平日午前中の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)の週1レギュラーや、平日お昼のワイドショー『バイキングMORE』(フジテレビ系)のコメンテーターとして出演。AKB48グループの初代総監督として大所帯を引っ張ってきた高橋さんだけに、高いコミュ力やリーダーシップによって培われたトークは重宝されるのでしょう。そういった生放送番組に芸能界での活路を見出しています。
5月4日放送の『ノンストップ!』では高橋さん出演曜日に前田さんがゲスト出演。高橋さんいわく、卒業後にテレビ共演するのは初とのことですが、二人が会ったのは2~3週間ぶりだったとか。そのときは前田さんが高橋さんの家に遊びに行ったそうですが、初代・神7同士のプライベートでの交流エピソードは、ファンとしては嬉しいかぎりでしょう。
今もモデルで活躍しながら、アパレルブランドをプロデュースする“こじはる”
小嶋陽菜(33歳/AKB48卒業:2017年4月)
第1回・AKB選抜総選挙で6位だった小嶋さん。
AKB48卒業後は競馬番組などのテレビ出演はしていましたが、ファッションモデルやアパレル業に主軸を置いている印象。
ファッション誌『MAQUIA』(集英社)や『sweet』(宝島社)などでモデルとして活躍し、今年3月発売の『MAQUIA』でも表紙を飾っています。また2018年6月には、小嶋さんがクリエイティブディレクターを務めるプロデュースブランド「Her lip to(ハーリップトゥ)」をオープンさせ、今年4月には同ブランドから肌にやさしい日焼け止めを発売して話題に。
卒業から4年経っていますが、最近もアパレル関連の仕事や話題が多く、ファッションアイコンとして大成していることがわかります。篠田さんのブランド「ricori」は1年半強で終了してしまいましたので、小嶋さんの「Her lip to」は息の長いブランドになってほしいものです。
野球選手と新婚の“ともちん”、現在は「初代・神7」としてテレビ出演多数
板野友美(29歳/AKB48卒業:2013年8月)
第1回・AKB選抜総選挙で7位だった板野さん。
プライベートでは今年1月に6歳年下の東京ヤクルトスワローズ・高橋奎二選手と結婚し、初代・神7のなかでは一番の新婚です。5月10日、テレビ番組内で第一子の妊娠を発表しました。
グループ在籍時の2011年1月にソロデビューしており、現在までにシングル11枚、アルバム2枚、ミニアルバム1枚をリリース。しかし、初代・神7のなかではもっともアーティスト活動に注力していた彼女ですが、2019年10月発売のミニアルバムを最後にCDリリースはストップしています。
タレント活動としては今年3月、バラエティ番組『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)に前田さんと出演し、初代・神7共演が話題に。また、4月には『サタデープラス』(TBS系)や『笑える!泣ける!動物スクープ100連発』(TBS系)にも出演しています。
結婚特需もあったのかもしれませんが、定期的にバラエティ番組や情報番組に出演しており、まだまだテレビで見かける機会はあるようです。
――AKB48ブームを牽引した初代・神7。“恋愛禁止”だった同グループの彼女たちの、7人中4人が結婚し、離婚や出産を経験しているメンバーもいることを考えると、時の流れを感じます。グループ卒業後は七者七様の人生を歩んでいますが、今後も彼女たちの一挙手一投足は注目を集めていくことでしょう。
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