本日よりU-NEXTで配信が開始する『クリスタル・レイク / 殺人鬼の母』の日本語吹替版で幼少期のジェイソン役を担当するファイルーズあいと、友人グレース役を務める加藤小夏にインタビュー! アフレコの舞台裏や吹き替えならではの見どころについて語ってもらった。

A24が描くジェイソンの原点――『クリスタル・レイク / 殺人鬼の母』豪華吹替キャストにインタビュー

1980年公開の映画『13日の金曜日』をベースに、のちに伝説の殺人鬼と呼ばれるジェイソンの母パメラ・ボーヒーズの知られざる過去と、クリスタル・レイクで起きた不穏な事件の真相に迫るA24製作のミステリー・ホラー『クリスタル・レイク / 殺人鬼の母』。

今回、幼少期のジェイソン役を担当する大のホラー映画好きとして知られるファイルーズあいと、その友人グレース役で海外ドラマの吹き替え初挑戦となる加藤小夏の二人による対談が実現。ホラー愛あふれる熱いトークからアフレコ現場での心温まるエピソードまで、恐ろしい本編の世界観とは打って変わった、二人の笑顔あふれる対談の模様をお届けする。

クリスタル・レイク / 殺人鬼の母クリスタル・レイク / 殺人鬼の母

ホラーの金字塔への熱狂と、苦手だからこその恐怖

――『クリスタル・レイク / 殺人鬼の母』は映画『13日の金曜日』の前日譚となりますが、オファーを受けたときはどんなお気持ちでしたか?

ファイルーズ:私は大のホラー映画好きで、観た映画の感想や5つ星評価をノートに書き留めて、「この監督はこういう傾向があるな」と研究したこともあるほどなんです。なかでも、『13日の金曜日』は全てのホラー映画の祖となる金字塔であり、定番やルールを作った作品です。そんなシリーズに、まさか自分が関わることができるなんて想像もできませんでした。生まれる前から続いている歴史ある作品で、「いつかリメイクなどがあれば関われるかもしれない」という希望的観測は持っていたのですが、まさかジェイソン・ボーヒーズとして自分の名前がクレジットされる日が来るなんて夢にも思わなかったです!

加藤:息継ぎがない! オタクすぎる!(笑)

ファイルーズ:(笑)ジェイソンは第1作目のラスト、湖の中から出てくるシーンで初登場しますが、そのときは台詞がなく吹替もついていませんでした。『フレディVSジェイソン』で描かれた幼少期でも、震えていたり泣いていたりして、台詞らしい台詞はなかったんです。だから今回、動いて喋る幼少期のジェイソンを見られただけでも嬉しくて、「光栄」以外の言葉では表現できません!

加藤:流石ですね……! 私はホラーが大の苦手で、見るたびに「記憶からかき消したい!」と思ってしまうくらいなんです。感情移入をしすぎて、自分自身がしんどい気持ちになってしまって。それだけ作品に没頭できているのかもしれませんが。だからお話をいただいたときは、ありがたいと思いつつも「どうしよう、どうしよう!」とパニックになりました。最終的には、「ぜひお願いします」と苦しみながら選択しました(笑)。

ファイルーズ:その立ち向かっていく精神というのは、ホラー映画のヒロインにとって欠かせない要素なんですよ! ヒロインは絶対諦めないし、後ろに引き下がらないんです!

加藤:ホラー映画のヒロインってどんどん前に進んでいくから、私は「なんで進んでいくの!?」って引き止めたくなっちゃうんです(笑)。でも、そこが魅力でもありますよね。

ファイルーズ:加藤さんの芯の強さとリンクしていてすごく素敵だなと思いました。

加藤:ファイルーズさんはいつも優しい言葉をかけてくれるんですよ。すごく嬉しいです!

『クリスタル・レイク』ファイルーズあい『クリスタル・レイク』ファイルーズあい

「透明感」と「プロ意識」――アフレコ現場で深まったリスペクト

――本作のアフレコはご一緒だったのでしょうか?

ファイルーズ:第1話は、加藤さんはアフレコを見学されていて、そのときは一緒に録ることはできなかったんですけど、第3話ではご一緒できました。

加藤:見学の際、皆さんが入れ替わり立ち替わり「マイクワーク」をされているのを見て驚きました。

ファイルーズ:アフレコスタジオにはマイクの数より声優の人数の方が多いので、喋り終わったらすぐ退かないと次の人が入れないんです。それを把握してフェーダーを上げ下げしているミキサーさんもいて。台詞の上に「何番のマイク」とメモしておくんです。そうしないとテストと違うマイクに入ったときにミキサーさんが困惑してしまうので。

加藤:やることが多すぎる! 自分の番が来たら、マイクの前に静かに入って静かに去っていく姿に感動しました。

――お互いの第一印象はいかがでしたか?

ファイルーズ:目視できないくらいの「透明感」です! なのに話すとすごくフレンドリーでギャップが素敵でした。最初に見学に来られたときはすごく緊張されているご様子だったのですが、それだけ強いプロ意識を持ってお仕事一つひとつに向き合っていらっしゃるんだなと感じました。慣れない環境でプレッシャーもあるなか、役に真摯に向き合っていらっしゃる姿を見て、率直にリスペクトの気持ちが湧きましたし「お話ししてみたい!」と思いました。

加藤:プロフェッショナルというのは本当にこちらのセリフです! 見学のときはよそ者みたいな気持ちで緊張していたのですが、ファイルーズさんが優しく声をかけてくださって、「一緒に録りたいですね」と言ってくださったんです。「こんな私でもいいんですか…!」と、本当に嬉しかったですし、懐の広さを感じました。

「亡霊」のギャップと、声から溢れ出た「母性」

――ご自身が演じられたキャラクターの印象や、演じるうえで意識されたポイントを教えてください。

ファイルーズ:幼少期のジェイソンは、母親への強い依存があるキャラクターだと思っていました。オリジナル版でも、行動動機が「ママの姿を探して彷徨う亡霊」であったりするので、「他者とどう関わっていくんだろう?」とワクワクしながら台本を開いたんです。そうしたら、グレースという素晴らしい理解者がいて。グレースの前だと飾らない等身大の男の子でいられる部分が、「クリスタル・レイクの亡霊」と呼ばれる彼の大衆イメージとのギャップがあり、より愛されるキャラクターになっていると感じました。だからこそ作り込みすぎず、ありのままの少年らしさを表現できるよう意識しました。

加藤:グレースは第1話の時点で、目から伝わる神秘さがあって「何を考えているんだろう」という怖さと色気を感じました。でもアフレコ現場で、ファイルーズさんが演じるジェイソンの声を聴いたときに、すごく母性が湧いてきたんです。そこで、「あ、この子には母性があるんだ」と気づかされました。

――加藤さんは今回、海外ドラマの吹き替え初挑戦となりましたが、難しさや発見はありましたか?

加藤:コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)のサイコロジカルホラーゲーム『SILENT HILL f』ではモーションキャプチャも担当していたので、自分自身のお芝居に対して声を当てていましたし、感情も全部自分で演じて理解していました。でも今回は、自分が演じていない役者さんの映像に声を当てるので、「自分の認識と違っていたらどうしよう」「この感情で本当に合っているんだろうか」という懸念がありましたね。

外国の方ならではの口の動かし方や表情を意識しながら演じるのも難しかったです。特に息を吸うタイミングを画面にぴったり合わせるのが大変で、プロの方のすごさを実感しました。ただ、『SILENT HILL f』のときに戦うシーンなどの息遣いのお芝居をたくさん経験していたので、そこは運よく生かせたかなと思います。

『クリスタル・レイク』加藤小夏『クリスタル・レイク』加藤小夏

「ジェイソンはチェーンソーを使わない!」前日譚ならではの発見とメタな楽しみ

――本作では、シリーズの象徴的なエピソードである「湖での溺水事故」も描かれますね。

ファイルーズ:過去作品で、ジェイソンの母親パムが「監視員がいちゃついて夢中になっていたせいで息子が溺れて死んだ」とずっと言っているんですよ。だから映像を見ながら「さて、どの二人だ? どの二人がいちゃつき出すんだ?」と探していました(笑)。ちょっと色気のある女の子がいるから、この子かな? と思ったら当たりましたね! ちょっとメタ的な楽しみ方をしていました(笑)。

――目の付け所が流石ですね! ホラーファンだからこその本作の見どころは何だとお考えですか?

ファイルーズ:誤解されがちなのですが、「ジェイソンがずっと犯人」だと思っていませんか? 実は第1作目の犯人はパムで、第2作目でやっとジェイソンが出てきます。そして、第3作目で殺害した宿泊客のホッケーマスクを奪って、あの有名なジェイソンの姿になるんです。そして一番言いたいのは、「ジェイソンはチェーンソーを使ってない!」(笑)。

そんなジェイソンと母親パムの関係性や、殺人鬼に至るまでのプロセスが丁寧に描かれているのが今作の大きな見どころですね。

――ホラーが苦手な加藤さんはいかがですか?

加藤:ホラーが苦手な人間からすると、もうずっと不穏で怖いシーンばかりなので、観ている間もずっとソワソワしっぱなしで大変でした。でも、映画シリーズを観たことがない方でもこのドラマから自然に入り込めますし、むしろ「ドラマを観てから映画作品を観る」という順番でもすごく楽しめるんじゃないかなと思います。

ファイルーズ:加藤さんみたいに予備知識なしで純粋に怖がってソワソワしながら観てくださる方こそ、ホラーファンにとって一番素敵なお客さんなんです。私みたいに知識がありすぎて「あ、ここで伝説の伏線が!」なんて穿った目で見ちゃうマニアより、何倍も良い楽しみ方をされています(笑)。

加藤:(笑)。配信時期もハロウィンに近いですし、ホラーが苦手な方もホラー好きのお友達と集まって観たら、また違った楽しみ方ができると思います。

クリスタル・レイク / 殺人鬼の母クリスタル・レイク / 殺人鬼の母

アフレコ現場での「お守り」と、激アツな吹き替えキャスト陣

――吹き替え版ならではの見どころや、現場での印象的な出来事はありましたか?

ファイルーズ:パム役の園崎未恵さんの演技が本当に素晴らしくて! 絶叫の聴きごたえはもちろん、クレイジーになっていく女性の壊れていくグラデーションの付け方が本当にお上手で見どころです。あと、台本を見たときに浪川大輔さんのお名前を見つけたんですよ! 浪川さんは映画『13日の金曜日 PART4 / 完結編』で、子役時代にトミー少年役の吹き替えを担当されているんです。ここで浪川さんをキャスティングしてくるなんて激アツすぎるでしょ! と思って、一人でウハウハしていました(笑)。

加藤:私はこれまで字幕で観ることが多かったんですけれど、アフレコ現場でみなさんの生の迫力を聴いて、「絶対に日本語吹き替えで観たい!」と思いました。実際に声のお仕事をしてみると、やっぱりすごく難しくて。台本にわからない記号がたくさんあって、心が折れそうになったんですが、ファイルーズさんが記号の意味を紙に書いて渡してくださったんです! この「お守り」を持っているので、何でもできます!(笑)

大好きな海外ドラマとファンへのメッセージ

――普段ご覧になっている海外ドラマや、お好きなジャンルを教えてください。

加藤:私は遅ればせながら韓国ドラマにハマり始めました。『わかっていても』や『愛の不時着』とか。文化の違いや人間模様がすごく面白くて、お芝居にも良い影響を与えてくれていると感じます。

ファイルーズ:私は『BULL / ブル 法廷を操る男』というリーガルドラマが大好きです! 声優になって初めていただいた外画吹き替えのお仕事が『BULL / ブル 法廷を操る男』の看護師役だったのですが、観てみたらあまりの面白さに夢中になって、DVDを全巻買って何度も観返すくらい大好きな作品です。

――最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。

加藤:声のトレーニングをたくさん重ねて臨みました。声だけでは私だと気づけないかもしれないですが、ぜひ探してみてほしいです。そして、ファイルーズさんはすごく可愛らしいお声をお持ちなんですが、ジェイソンの声はまた違った魅力があり……! 悲痛だけど愛らしさもある、助けたくなるような魅力的なお声をぜひ聴いていただきたいです。

ファイルーズ:吹き替えでがっつり男の子役を演じるのは今回が初めてなので、私にとっても新しい挑戦になりました。字幕を追わずに映像に集中できるのも吹き替え版の魅力ですし、キャスト陣の素晴らしいお芝居が詰まっていますので、ぜひ多くの方に届いたら嬉しいです!

『クリスタル・レイク』ファイルーズあい&加藤小夏『クリスタル・レイク』ファイルーズあい&加藤小夏

『クリスタル・レイク / 殺人鬼の母』配信情報

『クリスタル・レイク / 殺人鬼の母』は、U-NEXTで2026年10月15日(木)19:00より独占配信。(海外ドラマNAVI)

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