同作は、夫・野崎賢人(味方良介)と自身が信頼を寄せるパン教室の助手・杉本カナエ(寺本莉緒)の浮気現場を目撃し、その直後に交通事故に遭い命を落としてしまったパン職人・野崎ミチル(伊原六花 )が2年前にタイムリープ。過去をやり直しながら奪われた人生と本当の幸せを取り戻していく痛快リベンジ・エンターテインメントです。
◆トラブルも前向きに捉えるミチルに好感!
今回の第2話を鑑賞して、筆者はこのドラマへの好感度がさらに高まりました。というのも、不倫や復讐(ふくしゅう)という題材も絡んでいながら、ドロドロとしすぎていないところです。賢人とカナエの浮気の場面はやや生々しさがありますが、それを上回るのが“パン作りに夢中”なミチルのキャラクター像です。“パンが第一”という彼女の性格や立ち回りが、ドロ沼劇に陥ってもおかしくない物語を、まさにパンのように“こんがり”させていきます。
ミチルは、タイムリープ前に賢人の不倫現場を目撃し、夫の本性を知りました。そのため2回目の人生となるタイムリープ後は、結婚前の賢人に再びプロポーズされたり、愛の言葉を囁(ささや)かれたりしても易々(やすやす)となびきません。むしろ、ミチルに将来不倫をするという本性を見抜かれていながらも、それを知らずに“いい男”ぶっている賢人が滑稽(こっけい)に見えてきます。このドラマを観る前はディープで複雑な人間関係が展開するかと思っていましたが、第1話、第2話を観ると人間ドラマとコメディが良いバランスで融合しており、爽快感すらあります。

筆者は特に、ミチルのキャラが大好きです。ネガティブな状況を目の前にしても、それをポジティブに変換して前に進んでいくところが最高だと感じます。 第2話では、タイムリープしたことでパン職人の夢をかなえる前に戻ったミチルが、再び通う料理教室で必要なレタス5玉をネット注文したところ、なぜか50玉も届いてしまいます。料理教室の先生・伊能優吾(七五三掛⿓也)やミチル、そしてほかの生徒たちもその使い道に悩みますが、ミチルは、「じゃあパン作りに生かせばいいじゃん!」とばかりに、“レタス50玉”という現実を前向きに捉えます。さらに、そこで“レタスフォカッチャサンド”という傑作を生み出すのです。結局、この誤注文には“裏”があったのですが、ミチルは「おかげでいいレシピを思いつきました」と笑顔を見せます。


そんな性格ですから、何事もポジティブに変換するミチルに親しみが持てますし、視聴者にも勇気を与えるように思います。
◆ミチルの大切なものを奪う、カナエの存在
今後のポイントは、ミチルが以前と同じパンのレシピを思い出すことを重視するのか。それとも、1度目とは大きく異なる人生を選択し、まったく新しいパン作りに励むのか。それはつまり、過去に執着するのか、新しい未来を切り開くのかという人生の選択でもあります。このドラマでは、ミチルが作るパンそのものが、彼女の人生を映し出しているように感じられます。

そして、もう一つ気になるのが、1度目の人生ではミチルの助手を務めていたカナエの存在です。第2話では、ミチルが考案したレタスフォカッチャサンドを、まるで自分が作ったかのようにSNSへ投稿しました。賢人との関係性もそうですが、カナエにとっては、他人の大切なものを奪うことで、何かを満たそうとしているようにも見えます。
しかし、2度目の人生ではミチルはすでに賢人への愛情を失っています。カナエが賢人を奪ったところで、以前のようにミチルを傷つけることは難しいでしょう。では、次にカナエが奪おうとするものは何なのか。波乱の展開が巻き起こりそうです。

文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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