軽井沢の春は東京より一ヵ月ほど遅れてやってくる。桜の季節は4月下旬から5月上旬だ。そんな春爛漫の軽井沢で開催されるのが、「軽井沢大賀ホール2026春の音楽祭」。全6公演から、注目公演を挙げたい。
左:務川慧悟 ©Yuji Ueno右:大友直人 ©Rowland Kirishima
開幕は務川慧悟のピアノ・リサイタル。エリザベート王妃国際音楽コンクール第3位など多数の受賞歴を誇る気鋭が、ショパンのバラード第4番、ラヴェルの「クープランの墓」他によるプログラムで、磨き抜かれたピアニズムを披露する。
大友直人指揮の東京フィルは、軽井沢にふさわしいプログラムを組む。昨年、プラハの春国際音楽コンクール・チェロ部門で優勝を果たした水野優也のソロによるドヴォルザークのチェロ協奏曲は雄大。ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」では、音楽による風光明媚な景色を体感できそうだ。
精鋭ぞろいの軽井沢チェンバーオーケストラは、ドヴォルザークの「弦楽のためのノクターン」、ボッテジーニの「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」他で、極上のアンサンブルを聴かせてくれるだろう。ヴァイオリン・ソロを前田妃奈、コントラバス・ソロを水野斗希が務め、ヴァイオリンの依田真宣をはじめとする弦楽器の名手たちが集う。
ギドン・クレーメル・トリオ世界最高峰のヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルは、ギードレ・ディルヴァナウスカイテのチェロ、ゲオルギス・オソーキンスのピアノとともに、ギドン・クレーメル・トリオとして登場。ベートーヴェンの名曲「大公」にペルトやカンチェリを組み合わせて、好奇心を刺激する。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2026年5月号より)
軽井沢大賀ホール2026春の音楽祭
2026.4/29(水・祝)~5/6(水・休) 軽井沢大賀ホール
問:軽井沢大賀ホールチケットサービス0267-31-5555
https://www.ohgahall.or.jp
※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

飯尾洋一 Yoichi Iio
音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/

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