『いつも「不機嫌で忙しそうな人」が出世できない理由』
それを教えてくれるのは、これまで800社以上を支援してきた「働き方」の専門家である越川慎司氏だ。815社の17万3,000人を対象に、カメラ、ICレコーダーによる記録、会議データ、メールやチャットの履歴などのデータを分析したところ、「出世が早い人」と「出世できない人」の意外な違いが見えてきたと言う。
その特徴をまとめたのが、書籍『会社から期待されている人の習慣115』だ。ベストセラー『世界の一流は「休日」に何をしているのか』の著者が、今度は「評価と行動の関係性」を解き明かしたと話題に。「こんなことが重要だったのか!」といった驚きが溢れる同書から、内容の一部を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
イラスト:カワバタユウタ
忙しいからといって「不機嫌」そうにする人
仕事が立て込んでいる。
トラブルが続いている。
そんなとき、つい表情が険しくなり、周囲に余裕のない空気を出してしまう。
こうした経験は、多くの人にあるのではないだろうか。
しかし、その「不機嫌さ」は、想像以上に自身の評価を下げている。
800社以上を支援してきた「働き方」の専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』の中で、下記のように書いている。
507社のオフィス行動データを分析したところ、同僚から「あの人は忙しそう」と2か月に1回以上言われている人は、働いている時間の72%しか共同作業をしていないとわかりました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
同書では、17万人を調査したところ、働いている全時間の87%が他者の協力を要する仕事をしている時間であるとわかったとも書いてある。
それにもかかわらず、忙しそうな人に見える人は72%しか共同作業ができていない。
つまり忙しくて「話しかけづらい人」は、必要な協力を得られず、仕事を抱え込むことになるのである。
評価されている人は機嫌のいい「ふり」をしている
一方で、会社から評価されている人たちは、まったく逆の行動を取っている。
同書では、彼らの特徴について次のように示されている。
218社で計3万2,000時間の社内会議を記録し、AIによる感情分析をしたところ、期待されている人の65%は会議時間の60%以上でポジティブな感情を表出しているとわかりました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
忙しくても、トラブルが起きても、後輩にプロジェクトを取られても、朝の電車が遅れても、体調がいまいちでも、口角を少し上げ、機嫌のよい「ふり」をし続けているのだ。
この、「ふり」というのが重要だ。
たとえ内心がどうであっても、彼らは意識的に、機嫌のよい状態を保っているのである。
そうした工夫と努力によって、「話しかけやすい人」であり続けている。
評価を分けるのは「誰と働きたいか」という視点
なぜここまで、「機嫌がいい」ことが重要視されるのか。
同書では、その理由について次のように指摘されている。
評価を決める管理職にも聞いたところ、「どんな仕事をするかより、誰と仕事をするかを重視する」と答えた人が6割を超えていました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用
仕事の評価は、成果だけで決まるものではない。
「一緒に働きたいかどうか」も、大きな判断基準になっている。
不機嫌な人は、周囲が関わることを避けるため、情報も協力も集まりにくくなる。
結果として、仕事の成果も伸びにくくなるのである。
一方で、機嫌のよい人には、自然と人が集まる。情報が集まり、協力が得られ、チャンスも増えていく。
それを理解している人が、出世していくのである。
(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の内容を一部引用して作成した記事です。書籍では、こういった「会社から評価されている人たちの共通点」を115個紹介しています)

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