“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けた監督集団「5月(ごがつ)」による初の長編映画『宮松と山下』が11月18日より、新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、シネスイッチ銀座ほか全国で公開される。主演は香川照之が務める。

 時代劇内で相手に斬りかかる香川照之演じる宮松の姿から始まる。勇ましく踏み込んだものの、あっさり斬られてしまう宮松。その後、ちょんまげ姿でラーメンを食べる姿と「エキストラ俳優、宮松」の文字により、宮松がエキストラとしてドラマ撮影に参加していることがわかる。

 そこへ尾美としのり演じる「谷」と名乗る男が現れたことから物語は不穏な空気を孕みだす。何者かに押されて頭を強打する男、「12年前、自分を失った」という文字。不安をかきたてる音楽が流れ、キャストの顔とエキストラをしている宮松、意味深な映像が連なる。

 その中で流れる「昨日までの自分を失ったら、何を演じたら良いのだろう」という言葉が意味するものは何なのだろうか。ミステリーを感じさせる予告編になっている。

■ストーリー
 宮松はエキストラ俳優。ある日は時代劇で弓矢に打たれ、ある日は大勢のヤクザのひとりとして路上で撃たれ、またある日はヒットマンの凶弾に倒れ……来る日も来る日も死に続けている。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。なにも思い出せない中、彼は毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続けるのだった……。

香川照之
津田寛治 尾美としのり
野波麻帆 大鶴義丹 尾上寛之 諏訪太郎 黒田大輔
中越典子
監督・脚本・編集:関友太郎 平瀬謙太朗 佐藤雅彦
企画:5月
制作プロダクション:ギークサイト
協賛:DNP大日本印刷
配給:ビターズ・エンド
製作幹事:電通
製作:『宮松と山下』製作委員会(電通/TBSテレビ/ギークピクチュアズ/ビターズ・エンド/TOPICS)
(C)2022『宮松と山下』製作委員会

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