DIR EN GREYみたいなバンドは世界にいないと思う だからこそこれからも振り切ってやっていく
-制作とライヴのムードは、パッと切り替えられるものですか?
本来リリースするべき時期を過ぎている状態だったから、切り替えがどうとか言ってられなかったんですよね。でも、それはそれで良かったのかな。曲作りとライヴに同じ空気が流れていて。もしツアーが終わってから”さぁ曲作りをしましょう”っていう流れだったら、何か違ったかもしれない。本当に、ライヴのムードが織り込まれているアルバムだと思います。
-リリースとツアーをある種安定したサイクルで長期間続けてきたDIR EN GREYの中で、両者の関係が変化していくのは興味深いです。
そもそも、結成して29年目の音がこんなふうになってるなんて、デビュー当時は思ってもみなかったですけどね(笑)。こんなに長くやるとも想像してなかったし。振り返ってみるとすごいことになってる。
-DIR EN GREYがもっと落ち着いた方向に進む未来もありえたんですかね?
もし仮にどこかで一度活動を止めていたら、数年経って再開したとしても、こういう作品は生まれなかったかもしれないですね。バンドを繋げているテンションが一度切れてしまうと、どうしても音の説得力が違ってくるんじゃないかと。
-フレッシュな目線を取り入れたり、あるいは原点に立ち返ったり。立ち止まることで様々な分岐ルートが生まれるでしょうね。
ファンも新しい作品が出るっていう感動によってハードルが下がっちゃうわけで。僕たちはずっと途切れずに続けてるからどんどんハードルが上がってる。だからこそ、相当悩みに悩むんだけど。
-『MORTAL DOWNER』も、まさにそのハードルを超えるために本来の予定を延期させて完成に漕ぎ着けたわけですからね。
はい。ギリギリまで、アルバムの核を探していました。
-収録曲の中で、Dieさんが特に制作にコミットした曲はどれになるのでしょう?
薫(Gt)が作ってこないだろうなという作風を意識しながらいろんな曲調にアプローチしてできたのが最後の「no end」でした。アルバム全体を通して、やっとしっかりしたコード進行が出てきたなっていう曲で。どんどん暗黒な曲が生まれていくなかで、最後に置ける曲がこれしかなかった。
-京さんの歌詩も含めて、未来に目線を向けつつ作品を閉じる一曲ですね。
そうですね。最後まで沈み切らずに終わる感じ。それが今の俺たちの見せ方なんじゃないかな。
-ギタリストとしては今作にどう向き合いましたか? とにかくアレンジに無駄がないだけに、一音一音に緊張感があるように感じますが。
今回は自分のギターがどうっていうよりも、トータルを見ないといけないっていう意識が強かったですね。マスタリングでの仕上がりを見据えて、ギターの音はこのくらいにしておいたほうがいいとか、歌のレベルはこのくらいがいいとか。今までとは違う感覚で、いろんなことを考えていました。
-たしかに、Dieさんや薫さんのプレイヤーとしての個性が前面に出ているアルバムではないですね。
フレーズに関しても、同じ空気感が1曲の中でずっと存在していて、その中で歌がキャラを変えていくから、俺たちはそこを支えるっていうイメージがあったかもしれませんね。サビに来たからアプローチを変えて煌びやかに、とかではなく。
-サウンドメイクについてはいかがですか?
『PHALARIS』や『The Insulated World』(2018年リリースの10thアルバム)のミックスはいわゆるメタル的な音で、当然インパクトも派手さもあったんだけど、そこには行きたくないなと。もっと生っぽいサウンドを作りたかったし、聴きたかった。だから、ミックス前の段階での音作りもすごく重要でした。レコーディングされたものに極端なコンプをかけてバキバキにするのではなく、作った音を上手くミキシングして返してほしいという。
-特にエクストリームなメタルって、ポストプロダクションでどうとでも迫力を出せてしまうみたいなところはありますよね。
でもその感覚でいくと最初から最後まで同じようなサウンドになっちゃうし、それはもう聴き飽きたっていうのもあって。アタックの強いキックとかはもういいかなと。もっと違うサウンドを作っていこうと思っていました。
-余談なのですが、『MORTAL DOWNER』を聴いてDEFTONESのことを思い出しました。というのも、DEFTONESも音響芸術として秀逸な”浸れるメタル”じゃないですか。彼等は今、TikTokをきっかけにZ世代から支持を広げているんですよ。
なるほど。
-それは〇〇メタルがどうとかの詳しい文脈を抜きにしても、再生した瞬間にムードを生む音楽だからだと思うんです。DIR EN GREYも、ジャンルを置き去りにしてバンドの世界観を提示してきた。それを踏まえて、今作は幅広い世代にとってDIR EN GREYに触れる入口になり得る作品だと感じています。
DEFTONESだって決してノリやすくはないけどそうやって人気を得ているし、去年のTOOLの来日公演もすごく人が入っていましたね。あとはMY BLOODY VALENTINEも。そういう音楽がこれだけ広がってるっていうのは、時代の変化なのかもしれない。昔は選んで買わないと聴けなかったから広がりを生むのが難しかったけど、サブスクが入り口になって触れてくれるならそれも悪くないかなと感じています。
-えぇ。まだまだこれから、DIR EN GREYに魅了される層は広がっていくと思います。今後は”TOUR26 Downer Absolutely No One”、そして2デイズのワンマン・ライヴとなる”MORTAL DOWNER”が控えていますね。
特にこうしてやろうっていう考えはなくて、もう普通にプレイするだけかなと。当然いろんな演出はあるんですけど、新しいことをやるっていうよりはそれぞれが気持ち良く演奏したらいい。去年のツアーから同じ時間が流れてるので、やればやる程自然に深まっていくんじゃないかなと。
-個々のアクションの意味や目的を深く考えることはだんだんなくなってきているんですか?
自分たちを縛ってしまうとそこから転がっていかなくなりますから。例えば衣装とかも色ぐらいは決まってるけど、集まったときに初めて他のメンバーの衣装を見たりする。そうやって決めすぎないことがいい方向に作用すると思います。
-DIR EN GREYは来年結成30周年を迎えます。これからの行く先を、どう見据えていますか。
ライヴにおいても音源においても、DIR EN GREYみたいなバンドは世界にいないと思う。だからこそこれからも振り切ってやっていくこと。それだけかな。今度のツアーでもDIR EN GREYが進化して、また次の作品やツアーに向かっていくだろうから、その一つ一つに対峙していくだけ。これから何年やるのかも分からないですけど、どのアルバムもどのステージも、最後になったって悔いがないようにやっていて、ただただ長く続けようっていう考えではないんです。
-さらなる深層へと進んでいくのみ。
20年を超えたあたりからは特にそういう考えになって。”これでいいのか?”って悩んだこともあったけど、もうここからは戻れないよねって。いろんなものを背負うようにもなったけど、だからこそ先を見ても仕方がなくて、目の前のことをやっていかないと次が見えてこないですから。
RELEASE INFORMATION
DIR EN GREY
12th ALBUM
『MORTAL DOWNER』
NOW ON SALE!!
[FIREWALL DIV.]

【完全生産限定盤】(2CD+Blu-ray)
SFCD-0291~293/¥9,900(税込)
【完全生産限定盤】(2CD+DVD)
SFCD-0294~296/¥8,800(税込)

【初回生産限定盤】(2CD)
SFCD-0297~298/¥3,960(税込)

【通常盤】(CD)
SFCD-0299/¥3,300(税込)
“TOUR26 Downer Absolutely No One”
4月15日(水)神奈川 CLUB CITTA’ ※「a knot」only
4月19日(日)宮城 SENDAI GIGS
4月23日(木)神奈川 KT Zepp Yokohama
4月29日(水・祝)岡山 倉敷市芸文館
4月30日(木)福岡 Zepp Fukuoka
5月4日(月・祝)群馬 高崎芸術劇場 スタジオシアター ※「a knot」 & ONLINE only
5月5日(火・祝)群馬 高崎芸術劇場 スタジオシアター ※「a knot」LIMITED
5月9日(土)大阪 なんばHatch
5月10日(日)大阪 なんばHatch
5月12日(火)静岡 静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
5月20日(水)東京 Zepp Haneda(TOKYO)
5月23日(土)名古屋COMTEC PORTBASE
詳細はこちら
LIVE INFORMATION
“MORTAL DOWNER”
7月18日(土)、19日(日)東京ガーデンシアター
[チケット]
VIP席 ¥65,000 / SS席 ¥29,800 / 一般席 ¥9,800(諸経費込)
■NEW ALBUM『MORTAL DOWNER』購入者先行抽選受付:~4月19日(日)23:59
■GALAXY BROAD CARD先行抽選受付:~4月19日(日)23:59
■オフィシャル先行抽選受付:4月23日(木)12:00~5月12日(火)23:59
■プレイガイド先行抽選受付:5月15日(金)12:00~5月24日(日)23:59
■一般発売:6月6日(土)10:00~