カドブン meets 本が好き!

『夜が明けたら』レビュー【本が好き!×カドブン】
書評でつながる読書コミュニティサイト「本が好き!」(https://www.honzuki.jp/)に寄せられた、対象のKADOKAWA作品のレビューの中から、毎月のベストレビューを発表します!
今回のベストレビューは、青波 杏さんの『夜が明けたら』に決まりました。ありがとうございました。
学生運動が過熱していた時代に起きたある事件の背景。
レビュアー:ねこやなぎさん
私は本を読むとき、巻末の参考文献などから読む習慣があるのですが、
この本の参考文献一覧に目を通したとき、
読んだことのある本ばかりで、しかも感銘を受けた本が多い、ということに驚きました。
そして、期待しながら、読み進めました。
2024年と、1972年の時代が描かれている作品です。
学生運動が過熱した半世紀前、日本中を震撼させた事件を題材にしている作品で、
実在の人物をモデルにしたと思われる女性も登場します。
2024年、小説誌の編集部に届いた原稿には、
学生運動が過熱した半世紀前、日本中を震撼させた事件のことが綴られていました。
でも、それには、事実とは食い違いが見られ、駆け出しの編集者が真相を
探ることにします。
そして、見えてきたものとは…ということが描かれている小説です。
史実をもとにしつつも、それに解釈を加え、ストーリー性の高い作品に仕上げていると
思いました。
暴力の怖さ、人の怖さなども描かれているのですが、女性の受けた傷についても、
しっかりと描いていて、心に残る作品でした。
著者は、近代の遊廓の女性たちによる労働問題を専門とする女性史研究者ということで、
ジェンダーについて、しっかりと描くことができることについて、頷けました。
明るい希望が感じられるラストで、読後感がよかったです。
▼ねこやなぎさんのページ【本が好き!】
https://www.honzuki.jp/user/homepage/no11499/index.html
書誌情報
書 名:夜が明けたら
著 者:青波 杏
発売日:2026年01月30日
あの子を死なせたままじゃ、あたしたち、遠くになんて絶対いけない。
〈りっちゃんが死んだ。寒さと痛みのなかで――〉。2024年、小説誌の編集部に届いた原稿には、学生運動が過熱した半世紀前、日本中を震撼させた事件で親友を亡くした大学生ジュンの日々が綴られていた。これはフィクションか、あるいは新たな事実か。駆け出しの編集者・二階堂ルルは、当時の報道と原稿に食い違いがあることに気づき、その真相を探る。見えてきたのは、自分自身の本当の心で――。1972年、ジュンの大好きな友だちが死んだ。打ちひしがれた彼女は、一風変わった人々が集まる「幸海荘」に転がり込む。大切な人の記憶に苦しみながらも日常を取り戻していくジュンが目にした、信じようのない光景とは。ここではないどこかに居場所を求めてもがく彼女たちの、激動の青春と小さな希望の物語。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322409000217/
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