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俳優デビュー30周年を迎えた沢村が、転機となった作品への思いを明かした。
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俳優としての学びが多かった『浅見光彦シリーズ』
――1996年に俳優としてデビューした沢村さん。2026年は、いよいよ30周年を迎えます。
「そうですね。自分ではあまり意識していないんですけど、僕はデビューが遅かったので、“もうそんなに経ったんだ”という印象です。30年間続けてこられたというのは、ありがたいことだなと感じています。
もちろん体力的には昔と同じようにはいかない部分はありますし、還暦も少しずつ視野に入ってきました。ただその分昔に比べると、力みはなくなっているような気がします。
役者には定年がないので、60歳にならないとできない役もある。そういう意味では、まだまだ楽しんでいけるかなと思っています」
――デビュー時、“俳優を一生の仕事に…”という覚悟はありましたか。
「いやいや、そんなことないですよ。それこそ、今回監督をやったのもそうですけど、僕は何かをやりたいと思ったら1度やってみないと気が済まない性格で。
向いているかどうか、できるかどうかは実際にやってみないと分からない。役者をやってみたいと思ったので、まずは飛び込んでみようという気持ちでした。
未だに、“これでいいのかな”と思う瞬間はありますよ。それでもこんなに長く続けてこれたのは、本当に運が良かったんだと思います」
――デビューが遅かったことへの焦りや、「遅いからこそ頑張らないといけない」という思いも?
「当時、29歳でしたからね。デビューが遅くなったのは、自分ではどうしようもなくて。
でも、そのことを後悔するとか、他の人に追いつかなくちゃ…みたいな焦る思いはあまりなかったですね」
――沢村さんのキャリアの中で、転機になった時期や作品を教えてください。
「時期でいうと結婚したこと、作品でいうと『浅見光彦シリーズ』(1998~2012年)が大きな転機になりました。浅見光彦という役に出会えて良かったと思いますし、俳優として、たくさんの学びがありました。
謎解きのミステリーであり、ドラマならではの分かりやすい芝居が求められる作品。
2週間泊まりで撮影をして、連ドラにはなかなか出ない舞台俳優さんやべテランの俳優さんとご一緒できたことは幸せでした。貴重な経験だったので、感謝しています」
――当時、各局が放送していた2時間ドラマには、俳優さんにとって必要なエッセンスが詰まっていましたよね。
「そうですね、分かりやすいエンターテイメントでもありますし。実際は、僕が推理しているわけではなく、台本に書いてあることを演じるだけなんですけど、光彦が謎解きで犯人にたどり着く瞬間を体感したくて、現場でなぞなぞを解いたりしていました(笑)。
なぞなぞが解けた瞬間って、頭の中で電気が点くような気分になるじゃないですか。“あ、分かった!”って、あの感覚。光彦の謎解きも、あれこれ考えて、辻褄が合ったときに『犯人が分かりました!』となる。そんな経験も含めて、『浅見光彦シリーズ』で何年も訓練したのは、すごく良かったと思います」

――沢村さんの連ドラデビューは「続・星の金貨」(1996)でした。
「恥ずかしい…本当に見られない(笑)。自分でも“何をやっていたんだろう”と思っちゃうんですよ。去年の作品を観ても、そう思うことがあります。
『続・星の金貨』の記者会見があって、その後、キャストごとに囲み取材があったんですけど、僕の周りだけ記者の方があまり集まらなかったのをよく覚えています(笑)」
――「還暦も視野に入ってきた」とのことですが、今後の沢村さんの目標を教えてください。
「仕事では、あと2本、監督として撮らせてもらいたいです。今回のドラマも自分なりに手応えを感じていますが、振り返ると“ここはもう少しこうできたかな“というところも何カ所かあるので、それがどこなのか、視聴者の皆さんに考察していただきながら見ていただきたいです(笑)。
年を重ねていくと、街を歩いていても現場にいても、いろいろな人の素敵なところに気付けるようになって、そういう意味では年齢を重ねることで幸福度が増すこともある。
日々こうやって年を取っていくんだなと感じて、それが心地よくもある。
今はアンチエイジングが流行っていますが、あまり加齢に逆らわず、受け入れた方が楽しいことがいっぱいあるんじゃないかなと思っています」

(撮影/倉持アユミ 取材・文/伊沢晶子)
【沢村一樹 プロフィール】
1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。1996年に俳優デビュー。
以降、ドラマ『白い巨塔』や『絶対零度』、『DOCTORS〜最強の名医〜』、『刑事ゼロ』など数々のヒット作で主演・助演を務め、国民的俳優の地位を確立。バラエティー番組で見せるユーモラスな素顔とのギャップも魅力。
ドラマNEXT『水曜日、私の夫に抱かれてください』(テレ東系)では、自身初となる連続ドラマのチーフ監督に就任。俳優としても、4月期の木曜ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3』(テレ朝系)に出演するなど、表現者としてさらなる進化を続けている。
【第2話】
サレ妻の怜(入山法子)から「夫と不倫し続けてほしい」という異様な提案を持ちかけられた蓉子(菅井友香)。怜が持つ静かだが有無を言わせぬ迫力、不倫による強い罪悪感から蓉子はその要求を“罰”として受け入れ、毎週水曜日に神栖家へ通うことを約束してしまう。取り決められた公認不倫のルール、決して足を踏み入れてはならない謎の部屋の存在…。そして訪れた約束の水曜日、蓉子が神栖家で目にしたものとは…!?
