BTSカムバックライブの準備が進むソウルの光化門広場(写真:アフロ)
去る3月21日、BTSのカムバック公演がソウル・光化門(クァンファムン)広場で開催された。3年9カ月ぶりとなる完全体でのステージだ。
2022年12月の最年長メンバー・JINの入隊を皮切りに、メンバー全員が順次、韓国男性の義務である兵役を履行。昨年、全員の除隊が完了したことで、ついに7人が再び一つとなった。
ネットフリックスが11億円をかけて190カ国に生配信する一大イベント、ところが…
カムバックと同時に5枚目となるフルアルバム『ARIRANG(アリラン)』を発表した彼らは、この日の公演を皮切りに韓国および世界主要都市を巡るワールドツアーに乗り出す。
公演の演出は圧巻だった。メンバーたちは朝鮮時代の王の即位式が行われた景福宮(キョンボックン)の「勤政殿(クンジョンジョン)」から出発し、正門である光化門を通過して広場の特設ステージに立った。
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公演タイトル「王の帰還(Return of the King)」にふさわしい演出で、世界のK-POPファンにトップグループの復活を印象付けた。この模様はネットフリックスが制作費100億ウォン(約11億円)を全額負担し、190カ国に生中継された。
韓国政府と関連業界は、この世界的グループの復帰に沸き立ち、バラ色の展望を次々と打ち出した。韓国文化観光研究院は最大1兆2000億ウォン(約1320億円)の経済効果を提示し、IBK投資証券はアルバム販売とツアー効果を含め3兆ウォン以上と予想。
具潤哲(ク・ユンチョル)経済副首相は「数兆ウォンの経済的価値を創出し、目に見えない波及効果はその数倍、数十倍に達するだろう」と期待を寄せた。一部メディアはさらに踏み込み、ワールドツアー全82公演を単純合算して「100兆ウォンのトリクルダウン効果(経済波及効果)」という数字まで弾き出した。
しかし、蓋を開けてみれば政府の予測は大きく外れた。当日、広場に集まった群衆は警察推計で約4万2000人。最大26万人を想定して厳戒態勢を敷いていた政府やソウル市の予想のわずか16%に過ぎなかった。
