報道を史料に過程追う

 なぜ日本は外国人を労働者として受け入れず、研修生などの形を採ってきたのか――著者の濱口桂一郎氏は、背景には外国人政策における労働省と法務省の権限争いと、日本型雇用慣行の特殊性があると説明する。

 本書は、政策過程を明らかにするため、新聞報道を史料としている。たとえば1988年、労働省が職業安定局を実施者とする「雇用許可制」を提案。一方で法務省は、労働者性を否定する「研修」案を推し進める――公式発表で分かるのはここまでだが、その2年前の報道をみると、法務省内でも外国人を「労働者」として受け入れる政策を検討していたことが分かる。

 現行制度の成立ちから、その「なぜ」を理解する一助になるだろう。

(濱口 桂一郎 著、中央公論新社 刊、税込2640円)

労働新聞

令和8年2月16日第3533号16面 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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