
僕はファンクでも 90から100BPMくらいのを好んで聴いてて
120BPMとかになると 結構速いなって思っちゃいますね
坂本慎太郎(写真右)が、ソロ5作目のアルバム『ヤッホー』をリリースした。ソロ・デビューから15年、AYA(b)、菅沼雄太(ds)、西内徹(sax、fl)という鉄壁の布陣に、ゲストとして角銅真実(marimba)を迎えた今作は、底が知れない怪しさと柔らかなぬくもりが同居した全10曲を収録。その制作について、これまでの坂本作品と同様にレコーディング/ミックス/マスタリングを担当した中村宗一郎(同左)同席の上、レコーディングが行われた中村のスタジオPEACE MUSICにてインタビューを敢行した。その言葉を、じっくりと味わうように読んでいただきたい。
Text:Satoshi Torii Photo:Chika Suzuki(*を除く)
菅沼雄太が作るドラム・サウンド
──今作『ヤッホー』のリリースの一報を聞いた第一印象として、タイトルが過去作ともまた違ったニュアンスだと感じました。
坂本 特にアルバムを通してのテーマっていうものもないですし、曲名の中から一番アルバム・タイトルっぽいのをつけようかなっていう程度の考えです。あと、ジャケットのデザイン的にも良いかなと思いました。
──制作はいつごろから始まりましたか?
坂本 自分でデモ・テープはコツコツ作っていて。2024年の最後のライブの日(編注:12月23日のLIQUIDROOM公演)で菅沼(雄太)君とAYAちゃんにデモを渡して、1月にそれを覚えてもらって、2~3月はリハスタでリハーサルして、4月からレコーディングしました。
──その時点で、収録曲の10曲はすべてできていたのですか?
坂本 デモは10曲できていたんですけど、歌詞がまだで。メンバーに覚えてもらったり、練習している間に歌詞も考えていました。
──レコーディングは4月からいつまで?
中村 夏すぎまでやっていましたね。
坂本 夏まで制作期間として、ライブを入れないようにしていたんですよ。本当は6月で完パケしたかったんですけど、歌詞が間に合わなくて。夏にフジロックとかのライブのリハーサルをやるために1回中断したけど、9月前半には終わりました。
──歌詞が最後まで難航した?
坂本 そうですね。「麻痺」「脳をまもろう」「なぜわざわざ」「時計が動きだした」辺りの歌詞が間に合わなくて。
──ソロとしては今作が5作目で、2017年にライブ活動を再開されて以降、海外も含め多数のライブを行われていますが、バンドとしてのまとまりも強くなっているのでしょうか?
坂本 やっぱり長くやっていると、それなりにまとまりが出てきたような気はしてますね。アンサンブルは独自の感じが出てきたなと思います。
──中村さんも、エンジニアから見てバンドの変化を感じますか?
中村 レコーディングに関しては、急激に何か変わったとかいう感じはしないですね。でも、ライブでは西内(徹)さんが正式に入った影響があるのかなと。
坂本 海外に行くと、西内さんが一番ウケます。西内さんがプレイすると盛り上がる、みたいなところがありますね。
──Netflixで期間限定公開中の『坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬』では西内さんがピースをしていたりと、お茶目で明るい方という印象を受けました。
坂本 本当はもっとやりたいんでしょうけど、たぶん抑えていると思うんで。自分のバンドやほかではもっとやってるでしょうから。
──演奏は全く遠慮がないですね。
坂本 はい。楽しくやってくれてるんで。
中村 ですよね。楽しんでる感じ。
──今作は全体を通して、ドラムのサウンドの質感が前作から少し変わって、スネアやハイハットの感じが柔らかくなったように聴こえます。
中村 録り方とかはそんなに変わっていないと思いますが、菅沼君がすごく工夫をするので。マイクの位置に合わせてたたき方を変えたり、ヘッドやミュートを変えたりとかっていう工夫をずっとしているから、菅沼君の今の好みがそういう音なのかもしれないですね。
──たたき方も含めて、菅沼さんの音作りが反映されている?
中村 そうですね。この曲はこうしよう、ああしようというのがあるから、ドラムのベーシック録りがちょっと時間がかかるっていうか。決まっちゃえば早いんですけど。
──マイクはPEACE MUSICのものを?
中村 はい。大体ウチにあるもので…
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スタジオ・ライブMV「あなたの場所はありますか?」

『ヤッホー』収録曲「あなたの場所はありますか?」のスタジオ・ライブMV。撮影はPEACE MUSICで行われ、坂本慎太郎(vo、g)、AYA(b)、菅沼雄太(ds)、西内徹(fl)の4人による演奏を披露している。監督は山口保幸、録音を中村宗一郎が担当。坂本のボーカル・マイクにはSHURE SM7Bが使われており、中村は「これまであまり使っていなかったんですが、すごく良い音だと感じましたね」と語る
『坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬』

2022年12月5日に熊本県八代市のキャバレーニュー白馬で行ったライブ映像を、Netflixで期間限定配信中。監督は大根仁、ライブPAはアコースティックの佐々木幸生、ライブ・レコーディングを中村宗一郎が務めた。観客の音声がふんだんに入り込んでいるのは、当日の臨場感を出すためとのこと。記録用として録っていた音声に客席の声がかなり入っており、それをミックスしているそうだ
※視聴にはNetflixの会員登録が必要
Release
『ヤッホー』
坂本慎太郎
(zelone records)
Musician:坂本慎太郎(vo、g、k、b)、AYA(b、cho)、菅沼雄太(ds、perc)、西内徹(fl、sax)、角銅真実(marimba)
Producer:坂本慎太郎
Engineer:中村宗一郎
Studio:PEACE MUSIC

