「iPhone 17 Pro Max」は、iPhoneファミリーの中では最大となる6.9型という画面サイズを備えるフラグシップモデルだ。従来モデルで新たに搭載されたカメラコントロールなどを継承しつつ、背面を中心にデザインを刷新したのが大きな特徴だ。
今秋登場のiPhone 17シリーズでは、従来まで存在した大画面モデル「Plus」が消滅したため、画面サイズの大きさを条件に製品を選ぶと、筆頭がこの「iPhone 17 Pro Max」、次いで新登場の「iPhone Air」という序列になっている。価格は最小容量の256GBで19万4,800円からと、お値段もかなりのハイエンドぶりだが、全部入りかつ大画面を求めるユーザーには唯一無二の製品といえる。
今回は、筆者が購入した実機(シルバー、256GBモデル)をもとに、電子書籍ユースを中心とした使い勝手を、従来モデルである「iPhone 16 Pro Max」と比較しつつチェックする。
まずはそのiPhone 16 Pro Maxとの比較から。
(6コアCPU、6コアGPU、16コアNeural Engine)A18 Proチップ
(6コアCPU、6コアGPU、16コアNeural Engine)メモリ12GB8GBストレージ256GB/512GB/1TB/2TB256GB/512GB/1TB画面サイズ/解像度6.9型/2,868×1,320ドット(460ppi)6.9型/2,868×1,320ドット(460ppi)Wi-FiWi‑Fi 7Wi‑Fi 7コネクタUSB Type-CUSB Type-C側面ボタンサイドボタン
音量ボタン
アクションボタン
カメラコントロールサイドボタン
音量ボタン
アクションボタン
カメラコントロール防水防塵IP68IP68生体認証Face IDFace ID駆動時間/バッテリ容量ビデオ再生: 最大39時間
ビデオ再生(ストリーミング): 最大35時間ビデオ再生: 最大33時間
ビデオ再生(ストリーミング): 最大29時間
オーディオ再生: 最大105時間備考MagSafe対応MagSafe対応
この比較表からも分かるように、まず目立つ違いが、ボディサイズおよび重量の変更だ。筐体デザインの変更にともなってボディはひとまわり大きくなり、また厚みは0.5mmも増している。4年前のiPhone 13 Pro Maxは厚み7.65mmだったので、そこから1mm以上増していることになる。完全に歯止めが効かなくなってしまった印象だ。
また気になるのは重量だ。Pro Maxシリーズは2年前のiPhone 15 Pro Maxでそれ以前から10g近く軽くなる快挙を成し遂げたのだが、今回再び以前の水準に逆戻りしてしまった。次期モデルでは、本製品と同時発売の薄型軽量モデル「iPhone Air」のノウハウがフィードバックされるなどして、重量増が食い止められるのを願うばかりだ。
一方で、新モデルのたびに恒例となっているSoCのアップデート(A18 Pro→A19 Pro)と、8GBから12GBへと増量されたメモリを除けば、スペックに大きな違いはない。またLightningからUSB Type-Cへの変更や、カメラコントロールの追加といった、過去2モデルにみられた大掛かりなハード面の変更もない。ラインナップに新たに2TBモデルが追加されているのが目立つくらいだ。
そんな中、特筆すべきは駆動時間で、ビデオ再生時間は従来の最大33時間から39時間へと大幅に延びている。バッテリ容量は非公表だが、海外での検証によると4,600mAhから5,088mAhへと増量されているとのことで、省電力化のノウハウの蓄積で駆動時間が伸びたのではなく、物理的に容量が増えただけのようだ。筆者のように、駆動時間はそのままで構わないのでそのぶん軽量化してほしいと考えるユーザーは、おそらく少数派なのだろう。
では電子書籍ユースについて見ていこう。サンプルには、コミックはうめ著「東京トイボクシーズ 1巻」、テキストは夏目漱石著「坊っちゃん」を使用している。
解像度は従来モデルと同じく460ppiで、電子書籍を表示するデバイスとしては表示性能は最高峰の水準にある。もっともこれは前回紹介したiPhone Airも含め、ほかのiPhone 17シリーズでも同様であり、買い替えにあたって解像度が論点になることはないだろう。ちなみに画面幅は従来と同じ72.5mmなので、コミックなどの表示サイズは同等となる。
スマホのように縦方向に長いディスプレイでは、コミックなど固定レイアウトのコンテンツを表示した時に上下のスペースが余りがちだが、最近はこれらの余白をメニューやオプションの表示で上手く活用するよう各アプリが工夫を凝らしており、かつてのように間延びした印象は受けにくくなっている。とはいえ画面を横向きにして見開き表示をするのは難しく、単ページ表示が基本であることに変わりはない。
ディスプレイについて見ていくと、True Toneディスプレイの採用やコントラスト比、広色域ディスプレイ、最大120Hzの可変リフレッシュレートといった画面周りの特徴は、従来と変わっていない。唯一、屋外でのピーク輝度が2,000cd/平方mから3,000cd/平方mへと向上しており、屋外で閲覧する場合は有利に働くかもしれない。
一方、実機を使ってみて違和感があったのが、従来モデルに比べて画面の反射がきついことだ。製品ページで仕様を見る限り、反射防止コーティングなどの加工に違いはないのだが、実際に真横に並べると、本製品のほうが明らかに画面の反射がきつい。気になるようならばマット仕様の保護シートを貼って対処するとよいだろう。
このほか電子書籍関連で使える機能としては、アクションボタンを使った即時起動が挙げられる。本体左側面のアクションボタンに電子書籍アプリの起動を割り当てておくことで、どの画面からでも電子書籍アプリの一発起動が可能になるというものだ。「ブック」アプリやKindleアプリなど、よく使うアプリを登録しておくとよいだろう。ちなみにページめくりなど個別の操作は、このアクションボタンには残念ながら割り当てられない。
以上のように、電子書籍を読むためのスマホとしては最大級の画面サイズと高解像度ゆえ読みやすく、またアクションボタンでの一発起動などほかのスマホにない利点もある反面、デバイス自体が重いこと、またフラグシップモデルならではの価格の高さなどが欠点という、従来と同じ結論になる。
そんな本製品のライバルは、Pixel 10 Pro XLのような他社フラグシップモデルよりも、同じiPhoneファミリーの「iPhone Air」だろう。画面サイズは6.5型と本製品より一回り小さいものの、通常のProシリーズとこのPro Maxシリーズの中間サイズながら、重量は165gと本製品より68gも軽く、長時間手で持っても疲れないときている。
一方でこのiPhone Air、カメラがシングルレンズ構成だったり、スピーカーがモノラルだったりと、ハードウェア的にもいくつか欠けている点がある。メモリ容量はPro Maxと同じ12GBだったりと健闘はしているのだが、ProおよびPro Maxから乗り換えると、要所要所でハードの制限を感じることはありそうだ。
とはいえ、電子書籍ユースに耐えうる画面サイズを備えた扱いやすいスマホとしては本製品よりも適性は高く、前述のようなハードの制限が今後のモデルチェンジで解消されていけば、より評価は上がっていくと考えられる。今後、iPhoneというくくりで電子書籍に向いた製品を探すのであれば、Pro Maxシリーズと併せてこちらも要チェックと言っていいだろう。






