金大教員の山﨑さん 韓国の音楽祭へ 世界の芸能 どんどん吸収 太鼓の打ち方研究、奏者で出演

12日からの本番に向けて、けいこに励む山﨑正枝さん=金沢市民芸術村で

 金沢大教育教員(非常勤)で、学生に身体表現を教えているダンサーの山﨑正枝さんが、韓国・ヨンドンで12日から始まる「国際音楽芸術フェスティバルin韓国」に太鼓奏者として出演する。専門がスポーツバイオメカニクスで、効率的な太鼓の打ち方も研究しており「多くのものを吸収してきたい」と意欲を見せる。(沢井秀和)

 フェスは国連教育科学文化機関(ユネスコ)のオフィシャルパートナーで国際NGO組織「CIOFF」が伝統芸能を継承しつつ、新しい文化を生み出すために催す。ギリシャ、セルビア、パナマなど30カ国の音楽団体が民族芸能を通じて交流し、繰り広げる。日韓友好60年も記念している。

 山﨑さんは、世界的な和太鼓奏者の林田ひろゆきさんが主宰する「エモーショナル太鼓ジャパン」のチームの公募メンバーとして参加する。

 中学生時代に所属した新体操部が北陸3県で優勝したほか、富山県南砺市に住んでいた20代のころ、創作太鼓に出合い、太鼓芸能集団、鼓童の塾にも通った。2004年からは金沢大大学院に入り、人体の動きを力学の観点から解明・分析するスポーツバイオメカニクスを使って太鼓の打動作を研究。ダンスでも教育の実践をしてきた。

 フェスは14日間の予定で、山﨑さんは開会式ステージ、パレードに参加し、6演目を奏でる。

 山﨑さんは「民俗芸能は世界共通語。文部科学省が進める、科学、技術、芸術などを統合して学ぶSTEAM教育にもなり得る」と強調。その上で「世界の民族芸能は祭りや儀式にかかわり、演者たちは魂に突き動かされるように体を動かす。研究するばかりでなく、実践者として太鼓を打ち、踊り、多くのことを学びたい。それを教育、研究、地域貢献に生かしていきたい」と話している。

 地域貢献としては新型コロナウイルス禍、能登半島地震を経て、学生と共に身体表現の楽しさに触れるグループ「PAL」を発足。文学、ダンス、邦楽がコラボレーションした舞台も企画、制作している。

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