今年、TOHOシネマズの全国17劇場がアニバーサリーを迎えることを記念し、現在TOHOシネマズ株式会社によるお客様への感謝を込めた“アニバーサリーキャンペーン”が実施中だ。MOVIE WALKER PRESSでは対象の17劇場のスタッフへの取材や当時の資料を徹底リサーチ!オープン当初の貴重な裏話、その映画館ならではの魅力やトリビアなどを深掘りする連載コラムを展開中。第13回は、創業25周年の「TOHOシネマズ 岐阜」についてご紹介。

劇場の入口はこちら劇場の入口はこちら / TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
落ち着きのある“ファーストクラスシネマ”をコンセプトとした当劇場の前身「シネタウン岐阜」が開業したのは2000年11月10日。その後、「TOHOシネマズ 岐阜」に改名し、2016年10月29日にリニューアルオープンした。オープニング作品は『世にも奇妙な物語 映画の特別編』(00)や『X-MEN』(00)など。開業当時のアルバイトスタッフで、現在は社員として当劇場で働かれている方によると「プレオープン日は、ゴジラの着ぐるみと水野真紀さんが盛り上げに来てくださいました。また、当時のスタッフたちにはオープン記念にゴジラのフィギュアが配られ、ポップコーンもゴジラのイラスト入りの袋で販売していました」とかなりの“ゴジラ推し”だったそう。

開放感いっぱいの広々としたロビー開放感いっぱいの広々としたロビー / TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
当劇場で上映回数が多かった映画は、社会現象級のメガヒット中である『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』 (公開中)や、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20) 、『千と千尋の神隠し』(01) など。また、チラシの減りが早かった映画は、嵐のメンバーの出演作で、『怪物くん』(11)や『花より男子FINAL』(08)、『忍びの国』(17)などが印象に残っているとか。

品質にこだわったポップコーン品質にこだわったポップコーン / [c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
コンセッションでは、やはりポップコーンが一番人気だが、同社員によると「映画を観ないお客様でも、パーティーポップをお持ち帰りで買って帰る方もいらっしゃいます」とのこと。ポップコーンについては「ちゃんと原材料からこだわって作っているし、なるべくカスも入れないようにしているので、おいしいと思います」と胸を張る。

■新観光施設「岐阜城楽市」も登場!伊藤英明らの舞台挨拶の思い出も語る

コリドーも広め!コリドーも広め! / TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
劇場周辺のおすすめスポットについて聞くと、「歴史ものの映画をご覧になったら、ぜひ金華山山頂にある岐阜城へもお越しいただきたいです。織田信長が見ていたかもしれない風景に想いを馳せられますし、好きな俳優さんの推し活として聖地巡礼される方もいらっしゃるようです」とのことで、時代劇などを観たあとで立ち寄り、余韻に浸るというのもアリだ。

さらに、今年は新たな観光スポットとして「岐阜城楽市」という観光商業施設もオープンした。岐阜公園の再整備に伴って造られたこの施設は、7棟の木造平屋建ての建物に、食べ歩きも楽しめる岐阜の地域食材を使った飲食店や、地元の文化を感じられる物販の店舗が入っているので、こちらもチェックしていただきたい。

コンセッションではポップコーンが人気コンセッションではポップコーンが人気 / TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
また、映画のゲストを招いたキャンペーンや舞台挨拶などは、名古屋の劇場がメインで開催されるが、岐阜出身の伊藤英明は、何度も当劇場開催の舞台挨拶に登壇してきたそうだ。
「伊藤さんは『海猿』シリーズ1作目の『海猿 ウミザル』の時から何度もお世話になっています。ものすごく気さくな方で、ロビーにも出ていただきました。その際、スタッフ全員が『海猿』のTシャツを着用していたのですが、なかには伊藤さんの大ファンだという子がいて、背中にサインを書いてもらい、めちゃくちゃ喜んでいたんです。そのあとの同シリーズイベントでも来ていただき、本当にありがたかったです」。

ほかにも「2008年公開の『ガチ☆ボーイ』で佐藤隆太さんがいらした時は、控室やバックヤードも装飾してお迎えし、大変喜んでいただきました。また、急遽、『フライダディフライ』で主演の岡田准一さんたちが来場された際も大賑わいでした」とうれしそうに当時を振り返った。

■映画館は「一番身近なエンタメが楽しめる場所」。そこで働くことのやりがいとは?

【写真を見る】開業25周年でも清潔さに自信!10スクリーンを構えるTOHOシネマズ 岐阜【写真を見る】開業25周年でも清潔さに自信!10スクリーンを構えるTOHOシネマズ 岐阜 / TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
アルバイトからのスタートで、社員となったいまも長く働き続けるスタッフは、映画館で映画を観ることの魅力についてこう話す。「映画館は、一番身近なエンタメが楽しめる場所だと思います。確かに人気テーマパークに代表される遊園地などは“夢の国”という印象ですが、映画や舞台については、気軽に出かけられるところがいいなあと。だから働いている側も、どこか日常とは違う空間にいるという楽しさを感じるんです。もちろん、純粋に映画が好きだったり、アニメ好きだったりするスタッフも多いのですが、私自身はそういう感覚が好きです。日常の業務は同じことの繰り返しもありますが、毎週作品も変わるので、新鮮さも感じます」。

記録的メガヒット中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』記録的メガヒット中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』 / [c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
また、「いまは『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』などで忙しいですが、アドレナリンが出るというか、それをやりきったあとの達成感もやりがいにつながります。もちろん、舞台挨拶など、スペシャルなイベントの時もワクワクしますが、普段から毎日が楽しいですよ」と笑顔で語る。

そんな社員に、当劇場のこだわりについて聞くと、「清掃を丁寧にやっており、座席チェックでは、水滴1つ見逃しません。もちろんリニューアルもしていますが、開業25周年というわりには、ちゃんときれいに維持できていると思います」と自信をもって語る。スタッフ陣のおかげで、私たちは常に気持ちのいい環境で映画を観ることができるわけなので、心から感謝せずにはいられない。

最後に「10スクリーンを構える映画館ですが、各スクリーンのキャパシティがとてもバランスがいいので、タイムスケジュールが組みやすいと支配人が言っていました。ロビーも広々としており、あまり混雑しないので、ぜひ多くの方に来ていただきたいです」と、最後は清々しい表情で締めくくってくれた。

アニバーサリーを迎えるTOHOシネマズの全国17劇場で配布されるTOHOシネマズシアターカードアニバーサリーを迎えるTOHOシネマズの全国17劇場で配布されるTOHOシネマズシアターカード / TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
なおTOHOシネマズの全国17劇場で開催中のアニバーサリーキャンペーンでは、4月から12月の9か月間にわたって、様々なサービスを展開している。対象劇場は、今回紹介した岐阜のほか、5周年の池袋、立川立飛、10周年の新宿、ららぽーと富⼠⾒、アミュプラザおおいた、15周年の上大岡、20周年の府中、ひたちなか、⽔⼾内原、津島、二条、直⽅、25周年の浜松、ファボーレ富山、泉北、⼤分わさだだ。ぜひ最寄りの場所や気になっている映画館をチェックし、お目当ての映画を観に行っていただきたい。

取材・文/山崎伸子

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