前作『JUNK HEAD』と比べると 本作『JUNK WORLD』は、キャラクターデザイン・ストーリー構成・映像表現の面に於いて「前作よりも洗練され観やすくなった」感はあります。 …が その一方で前作に感じた「粗削りながらも そこから感じる独特な雰囲気と その魅力」は やや薄れた様な気もします。

ただし それは「制作者が意図的にそうした」様な気もするんですよね。 …で この後に続く3部作最終作品『JUNK END』で、また「あのJUNK HEADの雰囲気に戻してくる」のでは? と個人的には予想しております。

【ストーリー(脚本) & 演出】
前作『JUNK HEAD』よりも[1042年前の物語]と言う事で、ストーリー上 前作とは(間接的な繋がりは色々あるけど)直接的には「そこまで繋がりがある感じではなかった」ので、前作を観ていない方でも楽しめるストーリーかと思われます。勿論 前作を鑑賞していた方が より楽しめるストーリーではありますが。

前作『JUNK HEAD』では「頭の中身」以外は どんどん変化していく展開でしたが、本作『JUNK WORLD』でも前作に倣い 「世界(世界線)』が色々交錯し変化していき 1つの出来事を複数の登場人物の視点から描く《羅生門アプローチ》的な展開の物語となっておりました。

また三部作の最終作『JUNK END』に対する期待が高まる 色々な要素を感じ取れる脚本•演出も楽しかったです♪
脚本評価★★★★★
演出評価★★★★★

【配役(キャスティング) & 演技】
今回は 前作の様な[マリガンの変異や多様性が当たり前の世界]でなく、マリガンの変異が起こり始めている可能性がある世界なので、前作ほどのグロい造形のキャラクターは 殆ど登場しません。なのでマリガンの見た目は どちらかと言えば「人間に近い」モノとなっています。

また『人間』も前作ほど機械化されてはおらず、どちらかと言えば「人間の半機械化(強化人間)」や「人造サイボーグ的なロボット(完全自律型)」の技術が確立し始めた頃かと推察される造形で、前作より《人間が人間らしい姿で描かれていた》と感じました。

そういう意味では前作よりも[キャラクターのビジュアル]に関しては 取っ付き易いものになっていたかと思います。演技に相当する[キャラクターの動き]に関しては 前作同様の素晴らしさでした。
(※ちなみに【字幕版】のみを鑑賞済みで、【吹替版】は未鑑賞な者の感想である事 ご了承下さい)
配役評価★★★★☆
演技評価★★★★★

【映像 & 音楽】
映像や音楽•音響効果に関しては、前作以上に作品世界やストーリー展開に合った 素晴らしい出来であったと 個人的には感じました。
映像評価★★★★★
音楽評価★★★★★

(映像・音楽の好みに関しては『予告編』を観て、「自分に合いそうか 合わなそうか」「自分が好きそうか 嫌いそうか」はある程度判断できると思うので、まずは『予告編』をチェックしてみるのも良いかも知れません)

【総合評価】
正直言えば「シリーズ物は途中から入りずらい」と私は思っています。実際 個人的にも「超有名タイトルだけど シリーズ物なので未鑑賞」という作品も多々ありますので。

ただ まあ3部作の2作目なので「今から1作目を観るだけ」で この世界に入ってこれるので、出来るなら1•2作目を鑑賞して頂いて、多くの方に「この『JUNK』の世界に入ってきて欲しい」と思っています。

個人的な好みとしては、「何処か突き抜けた所がある作品」や「深い余韻がある作品」を評価する傾向があるので、本作もかなり好みの作品でありました。他作品との相対的な評価としては 本作は限りなく《☆5評価》に近い出来だと考えます。
総合評価★★★★★

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