
第82回ベネチア国際映画祭が開催されているイタリア・ベネチアで、パレスチナの惨状に抗議するデモの参加者と対峙する警官隊(2025年8月30日撮影)。(c)Stefano RELLANDINI/AFP
【AFP=時事】第82回ベネチア国際映画祭が開幕したばかりのイタリア・ベネチアで30日、パレスチナ自治区ガザ地区での惨状に抗議するデモが行われた。
同国北東部の左翼政治団体によって組織されたデモは、午後遅くに映画祭会場から数キロ離れた場所で始まった。
AFP記者の推定では、デモには3000〜4000人が参加した。ギレルモ・デル・トロ監督の『Frankenstein(原題)』のワールドプレミアが予定される中、参加者たちはパレスチナの旗を振りながら、映画祭が行われている海辺のリド地区までゆっくりと行進した。
デモでは「あなたたちは皆、ジェノサイドの観客だ」と書かれたプラカードも見られた。
抗議デモの参加者らは、ガザに注目を集めるために映画祭を活用すべきと訴えている。「全員が『ジェノサイド』と言う必要はないが、少なくとも立場を表明する必要がある。これは政治的な問題ではなく、人道的な問題だ」とAFPに語った。
ガザでの惨状をめぐっては、トロ監督を含む2000人以上の映画関係者が署名した公開書簡により、今年の映画祭での中心的な話題となっている。フランス・カンヌ国際映画祭でも5月に同様の公開書簡が発表され、「ジェノサイド(集団殺害)」が非難された。
公開書簡を企画した団体「ベネチア4パレスチナ」の共同設立者で映画監督のファビオマッシモ・ロッツィ氏はAFPに対し、「目的は、ガザとパレスチナをベネチアの公の会話の中心に据えることだった」と述べ、「反応の多さに驚いている。われわれ業界の関係者は誰かが声を上げるのを待っていたかのようだ」と語った。
【翻訳編集】AFPBB News
