2025年8月6日

PCから投稿

宇宙探査中に能力を得た科学者と家族が、国家や地球の代表として最前線で奮闘する物語。
これまでの映像化作品に比べると、能力の紹介や人物像の掘り下げよりも、メンバーがどんなバランスでチームを形成し、彼らがどういった信念で問題を解決しているか、という描写に力を入れた作品のようだった。

上映時間を2時間未満にしたかったのか、駆け足のシーンが多かった気がする。特に、能力を得た後、彼らがどんな活動を重ねて市民の信頼を得、いちヒーローから国家や惑星の代表に就任するまでに至ったかが小規模なダイジェストでしか語られないのは勿体なかった。普段の戦いぶりがわかっていれば、クライマックスのバトルパートでセリフに頼らずとも敵の強大さを説明でき、劣勢を覆す展開がもっと熱くなったのではないだろうか。

彼らがヒーローとして人として何を優先するか、どんなリーダーであろうとしているかを描いている点は、組織の命令系統の中で活動したり正体を隠して活動する他のヒーロー達の物語とは一線を画していて、興味深かった。ヒーローが地球規模の指導者になったり自己犠牲を拒否する展開は、近年の葛藤路線を行くヒーロー作品に比べたらぬるい世界観に見えるかもしれないが、良い意味で異彩を放っていると思えた。
この変化球は今後のピンチや他のヒーローとの邂逅で効いてくる要素なのだろうが、本作がアベンジャーズシリーズの助走に留まってしまうのだとしたら勿体ないとも思える独自性だった。

本作の公開直前、2027年末公開予定の『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』をもって一連のMCUシリーズをリセットするという宣言が出た。本作が『ファースト・ステップ』と題していても、単体作品としての次作はないということが察せられて残念だった。また、本作でエンドロール後のお約束について明記したり、今後のMCUの展開についてチラ見せを越えて明言している点も、ファンサービスより引き留めに見えてジャンルのピンチぶりがうががえる。
あと2年でリセットされるとわかった上でファン達が『アベンジャーズ』以外の単独タイトル作品にどう付き合っていくのか、気になるところだ。

うぐいす

PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。

ファンタスティック4 ファースト・ステップ

Write A Comment

Pin
Exit mobile version