2019年公開の『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督した坂本悠花里の初の長編作品『白の花実』が12月26日(金)に公開。それに先駆け、第73回サン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門にクロージング作品として正式招待され、ワールドプレミアされることが決定した。
本作は、周囲に馴染めず転校を繰り返してきた主人公・杏菜(美絽)が、転校先の全寮制女子校で出会った、美しく完璧なルームメイト・莉花(蒼戸虹子)の突然の死をきっかけに、残された≪日記≫と、莉花の“魂”に静かに侵食され、心を揺るがせていく姿を耽美かつ繊細に描いた物語。
“死の向こう側”へとそっと踏み込んでいくような、かつて観たことのないガーリーなファントム・ファンタジー。
坂本悠花里監督、歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭で鮮烈な長編映画デビュー
坂本悠花里監督は、東京藝術大学大学院映画専攻にて編集を学び、2019年公開の短編オムニバス映画『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督。
その後に制作した中編『レイのために』や短編『木が呼んでいる」(2020)などが数々の映画祭で評価されてきた。
そんな坂本監督が手掛けた本作『白の花実』が、初の長編作品でありながら、第73回サンセバティアン国際映画祭〈New Directors 部門〉に正式招待され、スペインでのワールドプレミアが実現。
さらに、New Directors部門の中でもクロージング作品ということもあり、本部門のラストを飾る上映として期待が高まっている。
New Directors部門は1985年に創設され、長編作品2作目までの監督作品が対象。濱口竜介監督のデビュー作『PASSION』を世界に先駆けて上映した部門で、『関心領域』ジョナサン・グレイザー監督のデビュー作『セクシー・ビースト』も出品されるなど、名だたる映画監督たちの登竜門となっている。
坂本監督「スペインから世界へ、たくさんの人たちと出会えることを楽しみに」坂本悠花里監督
今回の映画祭の招待に対して坂本監督は、「『白の花実』が、歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭New Directors 部門でワールドプレミアを迎えられることを本当に嬉しく思っています。素晴らしいスタッフ・キャストと作り上げた映画です。スペインから世界へ、たくさんの人たちと出会えることを楽しみにしています」とコメント。
また、主演の美絽からは「海外の皆さまにこの作品をご覧いただけること、そしてどのような感想を持っていただけるのか、今から楽しみでなりません」、池端杏慈からは「国を超えて多くの人の心に残る作品となれば嬉しいです」、蒼戸虹子からは「漠然と憧れを抱いていた海外映画祭で出演させていただいた映画が上映されるなんて、何だか夢のようで、すごく、嬉しいです」とそれぞれ歓喜のコメントが届いた。
坂本監督は、少女たちの裏に潜む苦悩や痛み、そして“名づけられない心の揺らぎ”を繊細かつ耽美にすくい取り、まさに鮮烈な長編デビューを飾る。
【コメント全文】坂本悠花里監督
『白の花実』が、歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門でワールドプレミアを迎えられることを本当に嬉しく思っています。素晴らしいスタッフ・キャストと作り上げた映画です。スペインから世界へ、たくさんの人たちと出会えることを楽しみにしています。
主人公・杏菜役 美絽
初めての主演映画で、サン・セバスティアン国際映画祭にご招待いただき、とても光栄に思っています。海外の皆さまにこの作品をご覧いただけること、そしてどのような感想を持っていただけるのか、今から楽しみでなりません。
栞役 池端杏慈
本当に光栄です。坂本監督をはじめ、たくさんのスタッフさんのおかげで完成した作品を海外にも届けられるという幸せを大切に受け止めています。国を超えて多くの人の心に残る作品となれば嬉しいです。
莉花役 蒼戸虹子
漠然と憧れを抱いていた海外映画祭で出演させていただいた映画が上映されるなんて、何だか夢のようで、すごく、嬉しいです。サン・セバスティアンの皆さんが作品をご覧になって、どんな感想をもたれるのか、今からすごく楽しみです。
『白の花実』は12月26日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。