東宝<9602>は、細田守最新作『果てしなきスカーレット』が、世界の映画祭の中で最も長い歴史を持つ、世界三大映画祭の一つ、ヴェネチア国際映画祭の【アウト・オブ・コンペティション部門】に選出されたと発表。細田守監督作品としては、ヴェネチア国際映画祭・初選出となる。
現地時間8月27日から9月6日の11日間に渡って開催される、第82回ヴェネチア国際映画祭の公式ラインナップ記者会見で、本作が【アウト・オブ・コンペティション部門】に選出されたことが発表された。
【アウト・オブ・コンペティション部門】は、コンペティション部門に並ぶ、公式部門の1つであり、世界的な名匠や話題作、ハリウッドの大作映画などを特別上映する部門。賞を競うのではなく、招待作品として上映され、映画祭を彩る花形的存在でもある。
昨年は『ROMA/ローマ』(18)で金獅子賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督の『ディスクレーマー 夏の沈黙』(24)や栄誉金獅子賞も受賞したティム・バートン監督の『ビートルジュース ビートルジュース』(24)、日本からは、『HANA-BI』(97)で金獅子賞、『座頭市』(03)で監督賞(銀獅子賞)を受賞した北野武監督の最新作『Broken Rage』(25)、『スパイの妻』(20)で監督賞(銀獅子賞)を受賞した黒沢清監督のスリラー『Cloud クラウド』(24)も選出されており、今作も世界からの期待値の高さが伺える。
また、アニメーション作品では過去に、宮崎駿監督が『ハウルの動く城』(04)、『崖の上のポニョ』(08)、『風立ちぬ』(13)が、同映画祭に選出されており、2005年の第62回には、宮崎駿監督が日本人で初となる栄誉金獅子賞が贈られるなど、アニメーションへの注目度も高い映画祭となっている。
細田監督は今まで、ベルリン国際映画祭(2010年『サマーウォーズ』)、カンヌ国際映画祭(2021年『竜とそばかすの姫』※2018年『未来のミライ』は監督週間)に選出。今回、『果てしなきスカーレット』がヴェネチア国際映画祭に選出されたことで、世界三大国際映画祭すべてに選出されたことになる。
さらに、北米最大の映画祭であるトロント国際映画祭【スペシャル・プレゼンテーション部門】にも選出。細田監督がカナダ最大の都市トロントで開催される同映画祭にも出席予定。
現地時間9月4日から14日までの11日間に渡って開催される、第50回トロント国際映画祭(TIFF)で、『果てしなきスカーレット』が【スペシャル・プレゼンテーション部門】への選出が決定。
同映画祭にコンペティション部門はないが、ピープルズ・チョイス・アワードと呼ばれる観客賞があり、過去には、『ラ・ラ・ランド』(17)、『スリー・ビルボード』(18)などが受賞。日本映画では、2003年に北野武監督の『座頭市』(03)が同賞を受賞しており、今後の賞レースの行方を占う重要な映画祭として知られている。
ⓒ2025 スタジオ地図