前作から5年! あの正義の不死身部隊が帰ってきた! Netflixにて配信中の『オールド・ガード2』(2025年)である。前作『オールド・ガード』(2020年)は、ファンタジーとミリタリーが絶妙に入り混じった世界観と、個性的だけど気のいいキャラクター、そして主演を張るシャーリーズ・セロンのド根性アクションで多くの人を熱狂させた。

不老不死の傭兵軍団が悪人退治! 『オールド・ガード』がユニークな作品となった理由

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 その続編である本作だが……実は本作は、3部作構想のド真ん中、つまりは中堅ポジションなのである。この立ち位置は難しい。物語として続くのだから、終わった時のカタルシスは弱くなってしまう。上手くまとまれば『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)といった傑作になりえるが、そうなれなかった映画もごまんとあるわけで。なかなかの苦戦を強いられたことは想像に難くないが……。結論から言うと本作は「確かに前作に比べると弱いけど、基準点は満たしているかなぁ」という、堅実な中継ぎピッチング映画に仕上がっている。

 不死の肉体を持ち、歴史の影で活躍する不死者の特殊部隊。そのリーダー的存在であり、最も長く生きていると言われる不死者アンディ(シャーリーズ・セロン)は、不死の能力を失ってしまっていた。そのため戦闘では後ろに回る機会も増えたが、どっこい、今日も元気に世界の悪党たちを追っている。そんなある日、彼女の前に生き別れた不死者仲間のクイン(ベロニカ・グゥ)が姿を現す。クインは拷問器具「鋼鉄の処女」に入れられたまま深海に沈められ、500年に渡って死に続けながらアンディの救出を待っていたのだ。そんなクインを深海から救出したのは、陰謀を巡らせる不死者・通称ディスコード(ユマ・サーマン)で……。

 こういった感じのお話である。前作との大きな違いの一つは、主人公のアンディが不死能力を失っていることだろう。前作はどんな酷いケガをしてもすぐに回復する設定を活かし、死/負傷が織り込み済みのアクションが炸裂。思い切り現代を舞台にして、いかにも特殊部隊な戦いをしている中で、このファンタジーな設定がいい形に活きていた。しかし、本作ではそういう設定なので……いやおうなしに、本作ではアクションシーンでの不死要素が薄くなってしまっている。この点は残念だ。また、前作で主役に近いキャラクターだったナイル(キキ・レイン)の存在感が薄まってしまった点も寂しいものがある。

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